大人になっても消えないトラウマ
「酔っ払うと言葉遣いが荒くなったり怒鳴ったりする人が苦手」
私が幼少期から抱いていたそのトラウマは、大人になってもなくなりませんでした。「大人になれば、お酒の楽しさがわかるかも?」と思っていたものの、大人になっても私はお酒の楽しさがわからず、酔っ払うこともほとんどなかったのです。大学生になっても、大人数でガンガンお酒を飲むような飲み会には参加せず、親しい友人と少人数で軽く飲みに行く程度でした。
とはいえ、社会人になってからは、酒席での交流も大切だと学び、大人数での飲み会にもドキドキしながら参加しました。しかし、大人数が酔っぱらって大声で騒いだりしている姿を見るのは、やはり苦痛でした。
酔っ払った彼の姿が見たい!
社会人になった私は、ある男性と結婚を見据えた交際をスタート。彼はお酒を飲むことが好きだったので、デートではよく個室のある居酒屋を利用していました。しかし、お酒好きとはいっても、彼はいつもほんの少しだけお酒をたしなむ程度。私はこれまで、彼の酔っぱらった姿を見たことがありません。
そのため、心のどこかで「この人もたくさんお酒を飲んで酔っ払ったら性格が変わるんだろうな」と、不安が拭えずにいました。そこで私は、「彼とは結婚も考えているし、今のうちに本性を知っておかないと」という気持ちもあって、彼に内緒で、彼の酔っぱらった姿をチェックすることにしたのです。
作戦実行当日、彼に「たまには私が奢るよ! もし酔っ払っちゃっても私がきちんと家まで送るから、今日は好きなだけお酒を飲んでね!」と伝えてみました。もちろん、無理に飲ませることはせず、お水を飲ませながら、頃合いを見て止めるつもりです。
「もっと飲んでよ」と言うと予想外の展開に!
彼は「奢りならありがたく飲むね」と言って、すぐにお酒を注文。しかし、私との会話を楽しみつつ料理に箸を伸ばすばかりで、お酒を飲む彼の手は全然進みません。そこで、このままでは結果がわからないと思った私は、「もっと飲みなよ」と彼にお酒を追加するよう促しました。すると、彼は「お酒は料理と一緒に楽しむものであって、ガンガン飲むものじゃないと思ってるから」と笑いながら答えたのです!
まさかそのような答えが返ってくるとは思わず、私は驚いてしまいました。彼に対して申し訳なく感じた私は、彼に「実は……わざと酔わせようとしてた」と、正直に告白。「小さいころから酔っぱらいが怖くて、あなたが酔ったらどうなるか見たかったの」と告げた私に、彼は学生時代のお酒での失敗談を正直に話してくれ、「人に迷惑をかけるのはもうこりごり」だと教えてくれました。
そして、彼は「これから先もずっと、君に怖い思いは絶対にさせないからね」と約束してくれたのです。
お付き合い期間も含めて彼とは8年ほど一緒にいますが、夫婦になった今でも、彼はそのときの約束をずっと守ってくれています。2人とも大人数で飲むよりも、親しい人とゆっくり飲むほうが好きなので、2人きりで飲むときは「この料理なら赤ワインが合いそう」「おいしそうなおつまみがあったよ」などと話しながら、穏やかな時間を楽しんでいます。
結婚相手が彼でよかったと心から思いますし、これからも、やさしい彼に感謝の気持ちを忘れず、夫婦で過ごす時間を大切にしていきたいです。
著者/西山百々
作画/しお
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