モリオくんは、フミヤくんがフミヤの父と一緒にかけっこの練習をしているのを見かけて、それがとてもうらやましく「ズルイ」と思ってしまったようだと、先生。そのことを知り、フミヤの母は誰が本当の加害者で、本当の被害者は誰なんだろうと頭がグルグルしながら電話を終えます。そして学校では……。
フミヤの母との会話を後ろで聞いていた教頭先生が……
「理解のある方でよかったわね」
「ただ、フミヤくんのお母さんに、モリオくんが見てしまったくだりの話をする必要はなかったわ」
「今後は気を付けてちょうだい」
教頭先生の言葉に、担任の先生はモヤッとします。そして……。
「……お言葉ですが。これで本当によかったのでしょうか」
「学校側はこれ以上ことを荒立てないために、モリオくんの両親には意地悪について話さないってことですよね?」
「それって不公平じゃないですか?」
担任の先生は、勇気を出して教頭先生に意見を言います。
そして、フミヤくんが鉛筆でモリオくんを傷付けた時の話し合いは、とてもひどいものであり、モリオくんの両親には謝らせた方がいいのではないか、教育の場は公平であるべきではないかと、訴えたのです。
ひどい話し合いの現場にいたからこそ、担任の先生は学校の対応に納得がいかないですよね。教頭先生はなぜモリオくんの両親に意地悪していた事実を報告したがらないのでしょうか。