セックス中に生理が始まる
その日、私は大学のサークル活動を終えたあと、当時付き合っていた彼の家に泊まりに行き、いつものようにセックスをしました。私は生理不順とはいかないまでも、生理が始まる日は多少のずれがあります。
現在は生理周期が安定しているのですが、大学生だった当時は、生理前に眠気が増したり、食欲が増えたりなどの前兆もほとんどなく、体調で生理がくることを予想できなかったので、生理予定日が近づくと毎日ナプキンを持ち歩き、生理開始に備えているような状態でした。
彼の家に泊まったその日も、生理予定日に近づいてはいるものの、まだ生理は少し先かなと考えていました。彼に会いたい気持ちも強かったことから、念のためナプキンを持って泊まりに行ったのです。
しかしタイミングが悪く、なんと彼とのセックス中に突然生理が始まってしまいました……。
経血を見た彼からの衝撃の言葉
ただ、生理は始まったばかりだったため、幸いにも出血量はごく微量。布団にも血はまったく付いていませんでした。私は出血していることに気づいて「やっちゃった!」と思いつつも、すぐに拭いてナプキンをつければ何とかなるかな、と冷静に対処しようとしました。
しかし、彼は出血に気づくと、心底嫌そうな顔で「うわっ!」と叫び、すぐに自分についた血を拭きながら、「俺、血とかマジで無理なんだけど」と、怒ったような口調で私に文句を言ってきたのです。
私にとって、毎月自分の体内から血が出ることは当たり前のことなので、彼のその態度と言葉に自分自身を否定された気がして、とてもショックを受けました。
男女の隔たりの大きさを痛感
それから彼は、生理予定日が近づいていないか私に頻繁に確認するようになり、私はそんなに嫌がらなくてもいいじゃん……と、さらに傷ついたのでした。その後、改めて彼に話を聞いてみたところ、男性にとって血を見ることは非日常的なことであり、「血=怪我」のような悪いイメージがついていることから、苦手意識があるとのこと。
しかし私にとって、血は定期的に体内から出るものであり、彼の考え方は理解はできるものの、どこか納得はできず、男女の血に対する意識の差は結構大きいのかもしれないと感じたのです。
その後、私は別の理由で彼とは別れてしまいました。そして数年後に、生理に対してとても理解のある人と結婚しました。しかし、そんな夫でも経血に対しては多少抵抗があったようで、一緒に生活する中で、たまに私が経血漏れをして、経血の付着した布団や衣類などが夫の目に触れてしまったとき、夫は多少驚いていました。生理については、女性から男性にしっかりと説明をして、理解を促すことも重要だな、と感じたのでした。
※生理中に出る経血は、血液だけではありません。妊娠準備のために分厚くなった子宮内膜が、妊娠しなかったことで不要となり、子宮から剥がれ落ちます。その剥がれ落ちるときに子宮に傷がついて出血し、剥がれ落ちた子宮内膜と一緒に体外へ排出されたものが経血です。
※生理中の性行為は、感染症などのリスクが高まります。お互いに相手を思いやり、できるだけ生理中のセックスは避けたほうが安心です。
著者/百田
イラスト/マメ美
監修/助産師 松田玲子
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