ある日、レクトに「放課後、公園で遊ぼう」と誘われたソウですが、習い事を始めるため、レクトの誘いを断りました。レクトには「せめて放課後の公園だけでもソウと遊びたい」という切なる思いがありましたが、ソウは知るよしもありません。
それからしばらく経つと、ソウのくつ箱に紙クズを入れられる、嫌がらせが始まります。ソウは、犯人の見当がついているものの、誰にも言わずに我慢していました。すると、嫌がらせは次第にエスカレートしていき……。
先生に呼ばれ席を立つと、突然足をかけられ…
「ノートを返すから、順番に取りに来て」
先生のかけ声とともに、次々に生徒が名前を呼ばれ、ソウの番に。席を立ち、歩き出すと誰かに足をかけられるソウ。
「ちょっ……! あぶなっ」
ソウはよろめき、床に手をつきます。
「思い切り転ぶところだった……」
なんとか怪我することなく済んだソウですが、顔を上げると……。
ニヤッとほくそ笑むレクトが、ソウを見つめています。
「なんでレクトはオレに嫌がらせをしてくるんだ!?」
ソウはくつ箱に紙クズを入れてくる犯人が、レクトだと気付いていました。そして、今回は足をかけて転ばせようとしてきたのです。
ソウのくつ箱に紙クズを入れる嫌がらせの後、転ばせようとしてきたレクト。レクトはソウのことが好きすぎるあまり、“放課後の公園でもソウと遊べない”という事実を受け入れられなかったのかもしれません。唯一の友だち、ソウに拒絶されたように感じたレクトの悲しみは、“嫌がらせ”という形で、吐き出されてしまいました。
たとえレクトの考えすぎでも、誰かに拒絶されるということは、心に深いダメージを受けます。多感な時期の子どもの心はとても複雑。子どもの気持ちをすべて把握するのは難しいことですが、周りの大人が子どもの変化に気付き、フォローしてあげることが理想ですよね。