結婚前提で交際の申し込みが…
当時30歳だった私はバツイチ。結婚相手としては悪条件な私に「結婚前提で付き合ってほしい」と言う男性が現れました。彼は同じ職場の他部署で働く男性で、私より5歳以上年下。彼はちょっと変わった性格だなと思っていましたが、30代でバツイチともなればほかに相手もいない気がして、私は彼とお付き合いすることにしたのです。
付き合って半年後には両家のあいさつを済ませて同棲を開始。彼はすぐ泣いたり急に踊り出したり変な動きをしたり……と、どこか子どもっぽいところがある人。「変な人だなぁ」とは思いましたが、やさしい人でもあったので、「感情表現が豊かなんだな」と前向きに捉えていたのです。
交際1年。結婚目前で…
交際から1年が経ち、「そろそろ入籍の日取りを決めなきゃ」と考えていたときです。彼が退職しました。そのため、彼の再就職先が決まって落ち着いたタイミングを見て入籍することに。しかし、いざ転職したらなんと試用期間で彼はクビになってしまったのです。
その後、彼が無事に再々就職したので、業務に慣れて落ち着くまでは入籍を待とうとしていたところ、彼から「またクビになるかもしれない……」と、まさかの発言が。「変わり者なところがうまくいかないのかな? 2回も立て続けに会社をクビになるなんて、めったにないことだと思うけど……」なんて思っていると、突然、彼から別れ話が飛び出したのです。
お母さんがそう言ったから…
「あーちゃん(私)が1年以内に正社員になれなかったら別れる」と。突然の言葉に私は衝撃と困惑とでパニックに……。そして、よく話を聞くと、彼の母親が彼の状況を見て、彼女である私が正社員になれなかったら別れなさいと、彼に言ったようなのです。彼は母親に「別れろ」と言われたら何も反論せず私にそれを伝えてきただけ。
たまらず彼に「きちんと自分で考えて別れたいって言ってるの?」と問い詰めたのですが、「お母さんが言うから」と彼の母親ファーストの姿勢は崩れず……。
そのうち、「クビになりかけて無職になろうとしている彼が、なぜ私に正社員になれって言ってくるの? そんなこと言える立場なの?」「今までずっと生活費は折半してきたのに、何が問題なの?」と、私の中で彼への不満や悲しみがふつふつと湧き出てきました。そして一方的な別れる宣告とともに彼は一度実家に帰ったのですが、後日、彼は母親と共に荷物を取りにきました。その姿を見て「なぜ母親と一緒に来るんだ……?」と引いてしまった私は、彼との別れを決意。
その日はそのまま彼と母親が荷物を持って実家に帰るのを見送り、そのあと、メールで彼と最後の話し合いをしました。そして私がキッパリ別れを告げると、彼からは何事もなかったように「付き合って成長することができた。今までありがとうございました」とだけ返事がきてお別れしました。
彼と別れたとき、私は32歳になっていました。私と別れたあとも彼は仕事がうまくいかず、ずっと転職を繰り返していたそうです。私と別れてから彼は誰とも付き合っていないと、共通の知人から聞きました。私は現在、フルタイムに勤務形態が変わり、大好きと思える男性に出会って結婚することができました。32歳でひとり身になるには覚悟がいりましたが、彼と母親の関係を思うと先が思いやられ、あのときの選択は間違っていなかったと思っています。
文/伊藤あーちゃんさん
イラスト/たこ
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