お母さんと話し合った翌日も、レクトから嫌がらせを受けたソウ。気が気でないお母さんは、「担任はいないけど、学校に相談に行こうか」と提案しますが、ソウは「我慢すればいいだけ」と返答。お母さんも納得し、とりあえず様子をみることになりました。
担任が戻るまであと2日。その日も、レクトからの嫌がらせに反応もせず、やり過ごすソウ。そのころレクトは、友だちの呼びかけにも一切答えることなく、机に打ち伏して、顔を歪めていました。ソウがレクトの嫌がらせに反応しないことが、かえってレクトの怒りを増幅させていたようで……。
執拗な嫌がらせ…。それでも…!
給食係の友だちが、給食を食べないレクトを心配し声をかけるも、反応がありません。
「レクトどうする?」
「知らねぇよ。めんどくせぇ」
そんな給食係のやり取りを偶然耳にしたソウ。
「ねぇ。どうしたの?」
思わず給食係の友だちに話しかけると、レクトが給食も食べず、話しかけても反応しないことを知ります。
「どうしたんだろう」と気にはなるものの、お母さんと「レクトとあまり関わらない」と約束していたため、「気にしない、気にしない」と思い直します。
しかし、「もし、具合が悪かったとしたら?」と、心配する気持ちも。
「見捨てることにならないか?」
「ええい! 心配するくらいなら、直接聞いてやる!」
嫌がらせを受けるようになってしまったものの、以前は一緒に遊ぶ友だちだったレクト。体調が悪いのかもしれないのに、見捨てられないという気持ちで、ソウはレクトに声をかけたのでした。
嫌がらせをしてくる友だちでも、「もし、体調が悪かったら?」と心配になって声をかけたソウ。お母さんと「レクトとあまり関わらないように」と話していたにもかかわらず、良心が勝ちました。親としては、ソウの友だち思いな行動は、誇らしくうれしいことなのではないでしょうか。もちろん、嫌な思いをしている子どもを守りたいというのが親心ですが、相手を心配する気持ちを優先して臨機応変に対応したソウは、とてもえらいですね。