「妻も一緒に働くべき」という考え
義実家の家業は、夫で5代目となるほど長い歴史があります。夫も義両親も家業に誇りを持っており、それ自体は私も素晴らしいと思っていました。
ただ1つだけ心配だったのは、家業には妻もサポートに入っていること。生まれたときから義父と同じ職場にいる義母の姿を見ていた夫は、「いずれ自分も奥さんと一緒に働くのだろう」とイメージしている様子でした。
そんな義家族の雰囲気を若干感じていたものの、自分の好きな仕事に専念していた私。それなりに昇進もしていたし、給料も少なくありません。
私も働いているし「家業を手伝ってほしい」と無理強いされることはないだろうと思っていました。
しかし、正月に親族の集まりに出たとき、耳を疑う会話が! なんと、私が義実家で経営している会社に入る前提で話が進められていたのです。
仕事を手伝うと承諾したわけでもなく、事前に話し合っていたわけでもありません。それなのに勝手に話を進められて、大きな衝撃を受けました。
夫と同じ会社で働くイメージはなし!
私は結婚、出産後も一度も夫の扶養に入ることなく会社勤めをしています。夫のことは好きで結婚しましたが、仕事のことはまた話が違います。
一緒に働いたら、考え方の違いでぶつかることがあるでしょう。それに義実家が経営している会社が一生安泰だという保障もありません。
また正直なところ、夫と今後何十年も夫婦としてやっていけるかどうかも未知の状態なのです。
もし私も夫の家業に入ったとして、会社がつぶれてしまっては夫婦2人で共倒れになります。まだ幼い子どももいて、何不自由させずに育ててやりたいと思っているのに、夫の家業1本に絞って夫婦で仕事をすることはかなりリスキーだと感じています。
初めは、夫も私が家業を手伝うことを望んでいました。しかし、仕事の価値観が合わないことに気付き、考え方が変化。
義両親は変わらずずっと「妻も家業に携わるべき」と考えていましたが、夫が私の仕事に理解を示してくれたのはありがたかったです。
ただし、いくら実の息子が言ったところで、義両親は納得しませんでした。私が今の仕事を続けるためには、義両親が納得できるほどのプレゼンが必要そうな様子がありました……。
義家族との付き合い方を模索中
説得するためには、義両親からのオーダーも少しはくまなくてはなりません。そこで、私が出した策は2つでした。
1つ目はまずは夫のみ家業に入り、仕事や会社について把握すること。2つ目は夫が家業について理解を深めた後、私もサポートする範囲を決める、ということでした。
ただし、サポートも私ではなくても大丈夫な業務があれば人員を採用する、もしくは外部に委託することと、どうしても私の手が必要な場合は現在の仕事と並行でおこなうことも条件にしました。
日本では「家業は親族で代々継いでいくもの」と考えがちですが、仕事をして業績を上げるには血のつながりは必要ないと思っています。むしろ、親族だけでやっていくことで、考え方が凝り固まり、業績の悪化につながる可能性もゼロではないと思います。
また価値観の合わない夫と一緒に仕事すれば、イライラしてしまう確率が高いです。義実家が代々大切にしてきた家業が原因で夫婦の関係が悪くなっては元も子もありません。
良好な夫婦関係を保つには、それぞれに合った仕事を続け、頑張ることが必要だと感じています。これからも、夫とは極力一緒に働くことのないように調整していく予定でいます。
今後のことを考えると、また義家族から「奥さんは仕事に入らないのか」と言われるかもしれません。願わくば、義両親たちが早く引退してくれないかと思っています。
まとめ
令和の時代でも続く家業問題。それがまさか自分の身に降りかかるとは思ってもみませんでした。義実家の家業が5代も続けてこられたのは、妻も含め親族の頑張りがあったからだと思います。ですが、時代は変わり、自分たちも同じように夫婦でやっていく必要はないはずです。それぞれの仕事を大切にしながら、私の家庭も義実家の家業もうまくやっていく方向を見出していきたいと思っています。とはいえ、義両親との関係はこれからも続いていくので、しっかりと話し合いながら、最適な案を考えていきたいです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/おみき
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著者:茨木アヤコ
元教員。今はwebライター兼1児の母。仕事は執筆、趣味も執筆。面白く、読みやすい体験談をお届けできるよう心がけています。