その様子を見た教頭先生は、「1人ずつ話を聞く。念のためレクト君は保健室に行きなさい」と、レクトの肩を抱き保健室へ促します。ソウは、まるで自分が悪いかのような雰囲気に、悔しさで涙ぐんでしまいます。
その後、ソウは教頭先生から事情を聞かれ、帰宅しました。「おかえり〜!」と、笑顔で出迎えてくれた母親を前に、我慢していた涙が溢れるソウ。お母さんは慌てて「ソウ!何かあった!?」と尋ねると……。
子どもが先生から呼び出し…!?
いつも明るいわが子が、帰宅早々、涙したことに気が気でないお母さん。
「今日の習い事は、お休みの連絡をしておいたからね」
「どうした? 学校で何かあった?」
落ち着いてソウから話を聞こうとします。
「教頭先生に呼び出しくらった」
「え!? 呼び出し!? ソウ、何をやらかしちゃったの!?」
お母さんは、“先生から呼び出された”ということに、驚きを隠せません。
「レクトがずっと机に突っ伏してて、反応がないから給食係も困ってて……」
レクトとのトラブルについて説明しようとするソウ。
「待って! レクト君って、ちょっかい出してくるって言ってた、あの子だよね」
以前、ソウからレクトの話を聞いていたお母さんは、先生に呼び出されるほどのトラブルが起きたことに驚くのでした。
学校から帰ってきた息子のただならぬ様子に、習い事を休ませ、ゆっくり話を聞こうとしたソウのお母さん。子どもがSOSを出したとき、しっかりと向き合おうとした姿勢はとても素晴らしいですね。成長していくにつれ、友だち同士のトラブルを親に話しづらいと感じる子どももいるのではないでしょうか。子どもが親を頼ってくれたときに、しっかり子どもと向き合うことが、親子の信頼関係を育む方法のひとつなのかもしれませんね。