楽しく遊んで、お別れのとき
たまたま公園で会った、娘と同じ幼稚園のお友だちNちゃん。私は5歳の娘と1歳3カ月の息子を連れており、Nちゃんはママと2人で公園に遊びに来ていました。あまり話したことのないママでしたが、子どもたちが遊んでいる間に話が盛り上がり「感じのいいママだな」と思っていたのですが……。
いざ、帰宅時間になって「そろそろ帰ろうか」と話し始めたときでした。娘もおなかがすいたのか「帰る~」と言い、「それじゃあ、また幼稚園でね」と車に向かおうとしたら、それまでニコニコで遊んでいたNちゃんが「やだ! まだ帰らない!」と怒り始めたのです。
駄々をこねるNちゃん。対応は私だけ?!
Nちゃんはその場で「まだ遊ぶ!」と訴え、娘にしがみつきます。Nちゃんの行動に娘はオロオロ。激しめなNちゃんの行動に驚きながら、私が「もうおなかすいちゃったし、おうち帰ろう」と言うと、「私も行く! 娘ちゃんのおうち行く!」と言い、今度は私の足にしがみつくNちゃん。
息子を抱っこしていた私は、転びそうになりながらもなんとか踏ん張り、「危ないよ、また幼稚園で遊ぼう」と何度も言いますが、Nちゃんは離れません。むしろ説得することに抵抗するためなのか、石を投げたり砂をかけてきたりしました。このとき一番驚いたのは、Nちゃんママが何もせずにただ見守っていたことでした。
無表情のNちゃんママ
Nちゃんが暴れてもなにしてもママはだんまり。ただ、私たちとNちゃんのやり取りを見ているだけです。その表情はまったくの「無」で、さっきまで楽しくお話をしていたのが嘘のようでした。「なぜ何も言わないのだろうか……」とモヤモヤを抱えながらもNちゃんを説得し続け、結局私がなんとかNちゃんをなだめて、帰宅できることに。
帰宅しようとした時刻から20分も経っていました。Nちゃんは最後泣きながらママにしがみつき、Nちゃんママは「はぁ、やっと帰れる」とポツリ。それを聞いて「いや! だったら自分でもなにかしてよ!」と言いたい気持ちをぐっと抑えて、「幼稚園でまた遊んでね」と引きつった笑顔で手を振りました。
感じのいいママだなと思って話が盛り上がり、楽しく過ごしてからの、Nちゃんママの無表情にとても驚きました。未だにNちゃんママが何を考えていたのかわかりませんが、人任せだったことにはモヤモヤが残りました。Nちゃんは娘にとって幼稚園で仲良しのお友だちの1人なので、ほどほどのお付き合いを心がけていこうと思っています。
イラストレーター/ねね
著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。