義母の逆鱗にふれた日
義母はピアノの先生として昔から教室を開いています。そんな義母の夢は、自分のピアノ教室からピアニストを輩出すること。いまだ叶っていないその夢は、今確実に娘に向けられています。
ことあるごとに「将来なりたいのはピアニストでしょ?」と娘に言い、「ちがうよ! ケーキ屋さんだよ!」と言われて撃沈している義母。それでも「まあ、まだ子どもだからそのうちね」とめげずに、娘をピアニストにすることをあきらめていません。
一方、娘は体を動かすことが大好きです。ある日、バスケット教室の短期講習のチラシを見た娘が「これやってみたい!」というので「じゃあお試しでやってみようか」と申し込んでみることに。
申し込みをしたあと、義実家で義母に「娘ちゃんバスケやるの!」と娘がうれしそうに報告していました。すると一瞬で義母の表情が硬くなり「バスケ? バスケって何?」と私に聞いてくるのです。義母の怖い顔に驚きながら「えっと、習い事で……」と言うと、「バスケなんてダメ! 突き指したらピアノが弾けなくなるでしょ!」と怒り始めました。
しつこい義母
「3日間だけですから」と言っても「それで続けたくなったら困るでしょ!」とお怒りの義母。「娘がやりたいって言ってるんだから好きにさせてよ!」と言いたい気持ちでいましたが、義母のあまりの剣幕に口をつぐんでしまいました。すると口を出したのは娘でした。「やるの! 娘ちゃんバスケやる! ばあばなんでダメって言うの!」と怒り始めたのです。
私もそれに乗って「あの、娘ちゃんのやりたい気持ちを摘みたくないので、バスケはやらせます」とはっきり伝えました。それでも義母はなんだかんだと言ってきましたが、最後は「家で決めたことですので」の一点張りで通しました。娘には「娘ちゃん、バスケはやるから大丈夫だよ」と伝え、その日は早々に義実家を後にしました。
結局バスケは短期講習だけ受けて終わりました。義母はその後も会うたびに文句を言ってきましたが、私はスルー。あまりにもしつこく、最終的には「ばあば何回も言い過ぎ!」と娘に怒られていた義母。今後も同じようなことが起こるのだろうなと思うと気が滅入りますが、きちんと自分の主張ができる娘を守っていこうと思いました。
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著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。