初めての育児でいっぱいいっぱい
20歳で出産し、その後シングルマザーとなった私。長女が2歳を過ぎるころまでは実家に同居させてもらっていて、父方の祖母、両親、妹と一緒に暮らしていました。初めての育児に、いっぱいいっぱいの毎日。若くして出産したので、育児に関する悩みを共有できる友だちはおらず、私は密かに孤独を感じていました。
まず、苦労したのは母乳のことです。自分自身、母乳で育てたい気持ちが強かったので頑張りましたが、授乳のたびに乳頭が痛く、乳頭が切れて水ぶくれになったり、夜間は頻回授乳やうんちの背中漏れ……と、とにかく日々を過ごすことだけで精いっぱいでした。
同居の母からの声かけにモヤモヤ!
長女はあまり夜泣きせず、生後2カ月のころから夜通し寝る子で、人見知りもそれほどなく、離乳食の好き嫌いもあまりありませんでした。
そんな長女の様子を見た母から、ことあるごとに「〇〇(長女)は、手のかからないラクな子だね」と言われる日々。「3人の子どもを産み育ててきた母にとってはそうかもしれないけれど、私は私で育児の悩みだってあるのになぁ」と思っていました。
なかなか寝ない長女。それでも母は……
長女が生後10カ月のころ、とても苦労したのが夜の寝かしつけでした。夜に長女を寝室に連れて行くと、抱っこでないと泣き叫び、ひどいときは2時間以上も抱っこして寝かしつけていました。さらに、その時期になると夜泣きもあり、夜に1時間以上、泣き続けることもしばしば。
ある日、長女が機嫌良くひとり遊びしている様子を見た母に「〇〇はラクな子だから、ママも余裕持って生活できていいね」と言われ、ついに私は、「ラクな子、ラクな子って言わないで。私にとっては初めての子育てに必死で、寝かしつけが大変とか、悩みだってあるの!」と反論してしまいました。母は少しびっくりした様子でしたが、「そんなに何回も言ったつもりはないんだよ。ごめんね」と謝ってくれました。
3人の子どもを育て上げた母にとって、長女は“手がかからないラクな子”だったのかもしれません。ですが、私にとっては初めての子育てで、毎日いっぱいいっぱいだったので、「ラクな子」と言われることが、だんだんとストレスになっていきました。私が母に反論してからは、長女のことを「ラクな子」とは言わなくなり、私に寄り添ってくれる声かけも多くなったので、思いきって反論してよかったと思っています。
著者:吉川みきな/30代女性・看護師。2008年生まれの女の子と2018年生まれ、2022年生まれの男の子の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。
作画:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています