こんにちは。助産院ばぶばぶ院長HISAKOです。今日は「搾乳」についてお伝えします。産院で「授乳後はカラになるまで搾ること」と指導されたという話を聞きますが、過度な搾乳は、必要以上に母乳が製造されてしまいます。
乳頭をやわらかくしてから授乳をしよう
分泌過多のママは、後搾りをするよりも、授乳の前にマッサージをする感覚で、少し乳頭をやわらかくする程度に搾乳するといいでしょう。
張ったおっぱいでは赤ちゃんはうまく舌を巻き込めず飲めないので、やわらかい状態をつくってから乳頭をふくませるのがコツ。飲ませたあとは、張りがある部分を手のひらの広い面積を使って軽く圧迫しながら搾乳する程度にとどめてください。
なるべく赤ちゃんに飲んでもらう
少しの搾乳では、余計に張ってきて痛くてたまらないというママもいます。その場合も搾りきらずに軽く搾る程度にして、できるだけ赤ちゃんに飲んでもらいましょう。
3時間ごとと言わず、とにかく赤ちゃんにたくさん飲んでもらいます。そうすることによって自然と量が調節されていきます。ツーンと張ってくる「催乳感覚」に合わせた授乳をしていると、需要と供給が合ってきて、分泌過多のおっぱいも次第にちょうどいい量へと調整されていきます。
職場復帰するママはどうする?
職場復帰で昼間、1~2回の搾乳が必要だという場合がありますね。月齢が進んでいればおそらく復帰から2カ月も搾れば、以後は職場では搾乳しなくても夕方までもつ『仕事モードおっぱい』に切り替わっていきます。
月齢の低いうちから復帰の場合は、搾乳期間が長く続くことも予測されます。「だったら搾乳器?」と思うかもしれませんが、1日2回ぐらいまでの手による搾乳ならば腱鞘炎にはならないと思います。
搾乳するときのポイント
搾乳するときは、「1回の搾乳で○○cc」とノルマを定めて自分を追い詰めないこと。母乳の分泌量は毎日違うし、毎回違います。こだわりを持たないことが大事です。
あまり搾れないことがあっても、無理をせずに15分で終了してくださいね。どうしても搾乳器を使いたいときは、握力の弱いママがバネのような固い搾乳器ハンドルを握り続けて生じる腱鞘炎を避けるためにも、なめらかな動きをするハンドルのものを選ぶようにしてくださいね。
著者:助産院ばぶばぶ院長 助産師HISAKO
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門『助産院ばぶばぶ』を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2014年10人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。