電話の向こうから女の声!?
全国転勤を繰り返す夫
中小企業のメーカーで働く夫。夫の会社は全国に支社があり、会社に命じられて転勤することもしばしばでした。
新婚当初は夫の転勤先に着いて行っていたのですが、子どもができ、戸建ての家を買ったことをきっかけに、夫の単身赴任生活が始まりました。
会社からの辞令はだいたい3年スパンで出されているようで、そのたびに北から南まで大移動しなければなりません。夫自身は全国転勤を苦に思っている様子はなかったのですが、毎回縁もゆかりもない土地に行くことになるので、新しい人間関係や、慣れない土地での生活は大変なはず。
それでも文句ひとつ漏らすことなく、会社の辞令に従う夫を私は不憫(ふびん)に思いつつも、家族のために頑張ってくれることに、感謝と尊敬の気持ちを忘れたことはありませんでした。
夫への違和感は虫の知らせ?
いつものように、とある県への転勤が決まった夫。わが家からは飛行機でないと行けないほど遠かったのですが、ひとりでの引っ越しは大変だろうと、娘と一緒に手伝いに行くことにしました。
ですが、そうはいっても男1人分の荷物です。会社が用意してくれている家具付きの賃貸に越したこともあり、ほとんど時間がかかることもなく引っ越しは無事完了しました。
せっかく遠くまで来たのだからと夫が言うので、家族で観光地を見て回り、ご当地グルメを食べてから帰ることに。しっかり遊んだその夜は、ひとり暮らし用の狭い部屋で、家族3人が川の字になって寄り添いながら眠りました。
次の日、パパが大好きな娘は帰るのを嫌がりましたが、私自身の仕事の都合上、帰らないわけにもいきません。事前に娘と用意しておいた家族写真と手紙を夫に渡し、別れを惜しみながら帰路につきました。
夫の転勤からしばらくたったころ、ふと「元気にしているかな」と夫のことが気にかかりました。今思えば、何か虫の知らせのようなものがあったのかもしれません。
仕事が忙しい夫の帰宅は、いつも22時ごろです。娘が起きている時間に電話できないことを残念に思いましたが、たまには2人で話でもしようと、久しぶりに電話をかけてみることにしました。
しばらくコール音が鳴った後、夫が応答。久しぶりの電話で、夫はどこかよそよそしい感じもしましたが、元気でやっていること、相変わらず仕事は忙しいことなどを話してくれました。
私も娘の成長や家のことを報告し、「元気に過ごしているから心配しないでね」と電話を終えようとした瞬間、夫の後ろからかすかに女性の声が聞こえたのです!
違和感を持ちつつも、すでに家にいると聞いていたので「テレビか何かの音を聞き間違えたのかもしれない」と自分を納得させ、そのまま電話を切りました。
寝言で女性の名前をつぶやく夫
ところが、そのときの私の嫌な予感は、思いも寄らない形で的中することになりました。
ある日、3カ月ぶりに家へ帰ってきた夫。疲れている様子でしたが、久しぶりの再会でせっかくの休みです。夫の提案もあり、家族水入らずで遊びに出かけることになりました。
その日は1日中外で遊び、ついでに晩ごはんも外食で済ませることに。元々お酒が好きな人でしたが、久しぶりに娘に会えたのがうれしかったのか、その晩はいつも以上にお酒を飲んでいました。
帰宅してからも娘とお風呂に入ったりトランプゲームをしたりと、しっかりと父親をしてくれた夫。まだ就寝には早い時間でしたが、仕事の疲れがたまっていたこともあり、そのままリビングのソファで寝てしまっていました。
娘と一緒に夫の様子を見ていた私が「しばらく寝かしておいてあげよう」と布団をかけようとしたそのとき。なんと、夫が寝言で「ミカ……」と女性の名前を口にしたのです!
もちろん今までで聞いたことのない名前ですし、思い当たるような知り合いもいません。
娘も夫の寝言にびっくりしたようですが、子どもの手前、その場で夫を問い詰めることもできず……娘には適当にごまかして、その日はそのまま就寝しました。
次の日、仕事のために夫は赴任先に戻っていきました。見送りの際は娘も一緒だったので、結局女性の名前については問いただせず、私の心中はモヤモヤするばかり。
しかし、今思えば夫はいつも携帯を肌身離さず持っており、ロックも厳重。よく考えてみれば……と思い当たる節もいくつかありました。
まとめ
真実は未だ闇の中ですが、とっくに夫婦生活もない私たちなので、そこまで問い詰めるほどのパワーもありません。見知らぬ土地で頑張っている夫を思えば、少しの遊びには目をつむってもいいのかな、と私は思っています。しかし、それでも娘を泣かせるようなことがあるなら話は別です。しばらくは夫を泳がせ、真実を突き止めたそのときは、しっかり釘を刺そうと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
取材・文/いけがきみく
マンガ/へそ
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取材・文/いけがきみく
不妊治療を経て結婚7年目に待望の第1子を出産。産婦人科で務めていた経験あり。女性の気になるお悩みやリアルな体験談を執筆しています。