2時間の思春期教室
小学校高学年の時期におこなわれる「思春期教室」。当時まだ生理になっていなかった私は、この思春期教室で生理について学びました。私の学校では授業時間が2時間分しかなく、基礎知識はひと通り学習したものの、「生理=血が出る=痛い=怖い」といったイメージが浮かび、生理への恐怖心が芽生えてしまいました。
当時は今のようにインターネットですぐに調べることもできませんでしたし、私の家は親に聞ける雰囲気でもなかったので、2時間の思春期教室での情報と、友だちからの情報がすべて。男女の体や生理の仕組み、赤ちゃんができる過程などは、しっかり授業の内容に取り込まれています。
しかし今思えば、小学生高学年である程度の理解力があるとはいえ、たかが2時間で男女の体の構造や赤ちゃんができるまでの過程、もうすぐ迎えるであろう生理の仕組みを、すべて理解できるわけがなかったのです。
初潮と思いきや…!?
ただただ恐怖心しか芽生えなかった思春期教室から数カ月後、ついに私にも生理が。普段から用を足したあとにトイレットペーパーを見て、血がついていないか確認する習慣がついていたので、うっすら血がついていたときは、すぐに「これが生理か」とピンときました。その後、家族に報告しなきゃいけないと思った私は、一緒に住んでいる祖母のもとへ。
祖母に「生理になったかも! 血がついた!」と少し興奮気味に伝えたあと、私はナプキンを着けるためにトイレへと戻りました。しかし、ナプキンを着ける前に再度トイレットペーパーで拭いてみると、なぜかすでに出血が止まっていたのです。「あれ? 生理はこんなに早く終わらないはず」。そう思ってまた祖母のもとへ行き、もう血がつかなくなったことを伝えました。
実は、当時の私は快便ではなかったので、数日に1回硬い便が出ている状態でした。そのことを知っていた祖母に「もう血は出てないの? それなら、もしかすると切れ痔かもしれないね」と言われ、それから数日ほど様子を見ることに。すると、もう出血することはなかったので、祖母の指摘通り、結局のところ出血の原因は初潮ではなく、ただの切れ痔だったようです……。当時の私は自分の体の変化もわからず、とても恥ずかしかったのを覚えています。
本当の初潮を迎えて
そんな恥ずかしい勘違い経験から、1カ月もしないうちに本当の初潮がきました。前回と同じように祖母に伝えたのち、ナプキンを着けるためにトイレに行き、今回はナプキンを着けるときもちゃんと血がついていることを確認。
思春期教室で「生理になったら1週間くらいは血が出続ける」と聞いた通り、出血はそのあとも数日ほど続いたので、今度こそは間違いなく初潮だと確信しました。
思春期教室では「血が出る、痛みを感じる人もいる、体調が悪くなる場合がある」など生理のマイナスイメージばかりを教わり、恐怖心が芽生えてしまったけれど、実際になってみたら案外普段通りに生活できたことにびっくりしました。
私も今では母になり、娘が2人います。娘たちには自分たちの体の構造や生理の仕組みを早くからわかってもらいたかったので、物心つくころから生理の話をしています。
小学校6年生になったころに初潮を迎えた長女は、生理になったことを私に報告してきました。その際、長女は「小さいころから生理の話や女性の体について聞いてたから、初めて生理がきても驚かなかったし怖くなかった」と言ってくれました。次女が初潮を迎えたときも、そうであればいいなと願っています。
著者/さとう みく
イラスト/マメ美
監修/助産師 松田玲子
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