なぜ更年期に薄毛や抜け毛が増えるの?
若いころは考えもしなかった薄毛や抜け毛の悩み。なぜ更年期になると薄毛や抜け毛が増えるのでしょうか。
「女性ホルモンのエストロゲンは頭皮を柔らかくして代謝を促す役割をしています。更年期にエストロゲンの分泌が減ると頭皮が硬くなって血流が悪くなり、頭皮への栄養分が行き届きにくくなります。また、女性ホルモンが減ることで、抜け毛に関わる物質を生み出す男性ホルモンの影響を受けやすくなります。これらの要因が重なって40代、50代の女性に抜け毛や薄毛が増えてくるのです」(駒形先生)
しかし、同じ年齢でも薄毛や抜け毛の程度には個人差があるように見えます。
「もともとの髪質により個人差が出ます。毛根の量、毛根から出ている毛の量、髪質などで見え方は大きく変わりますよね。例えば同じ毛の量でも、サラサラで細い髪質のストレートの人より、癖があって毛が太い人のほうがボリュームがあるように見えます。ただ、どんな人でも10代、20代のころよりは毛は細く、量も減っていきます」(駒形先生)
髪形やヘアケアが薄毛や抜け毛の原因になることも
薄毛や抜け毛の原因は加齢や女性ホルモンが減ることだけでなく、髪形やヘアケアも関係していると言います。
「ショートヘアの人よりロングヘアの人のほうが髪が重い分、頭皮への負担が大きくなります。また、長い髪を長時間きつくしばることも負担になります。髪をしばるなら、緩めにしたほうが頭皮や毛根への負担は減らすことができます。さらに、分け目がいつも同じ人は要注意。頭皮に負荷がかかりやすい上に、紫外線の影響も受けやすくなります」(駒形先生)
では、髪のためにはショートヘアのほうが良い?と思いきや……。
「ショートヘアの人はロングヘアの人に比べて、あまりブラッシングしない人も多いですよね。頭皮の血流を促すためには、適度にブラッシングをしたほうが良いです。ただ、髪を引っ張ったり、絡まった髪を無理やりとかしたりと、頭皮や毛根へ負担がかかるようなブラッシングはNG。他にも、ドライヤーの熱を同じ箇所に集中的に当てたり、強い力でシャンプーすることも避けたほうが良いですね」(駒形先生)
薄毛・抜け毛は早めの予防が大切!
駒形先生によれば、髪質や髪の量は母方の遺伝が影響しやすいそうです。もし今、薄毛や抜け毛に悩んでいなくても、自分の母親が薄毛なら今すぐにでも予防ケアをスタートしたほうが良いと先生は言います。
「一度抜けた毛は元に戻らず、なくなった毛根も戻りません。毛が抜け始める前の早めのケアがとても大切です。顔がたるみ始めたり、肩が凝り始めたりしたら頭皮も血流が悪く、老化しているサインです」(駒形先生)
駒形先生に40代、50代なら今すぐにでも始めたいケアを教えてもらいました。
頭皮マッサージをする
頭皮用のオイルや女性向け育毛剤などでマッサージ。血流を促進して頭皮に栄養分を行き届きやすくすると同時に、硬くなった頭皮を柔らかくする効果があります。
たんぱく質を積極的にとる
髪を作る栄養素はたんぱく質。食事に積極的に取り入れましょう。大豆イソフラボンもとれる豆腐や大豆類は良いですが、自分がとりやすいたんぱく質でOKです。また、髪には脂質も必要。女性ホルモンが減ると脂質代謝が悪くなるので、アレルギーがなければナッツやヘルシーオイル(MCTオイルなど)などでとると良いでしょう。
栄養分を吸収できる体をつくる
頭皮マッサージを頑張り、栄養バランスの良い食事をとるようにしても、貧血では栄養を全身に行き渡らせることができず、便秘では腸で栄養を吸収できません。貧血や便秘がある人はなるべく解消しておくことも大切です。
まとめ
NGのヘアケアには、誰もが1回はしたことがあるものばかりではないでしょうか。ただでさえ加齢と、女性ホルモンが減ることで弱くなっている頭皮や髪。やさしくケアしてあげることが大切です。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!
取材・文/mido
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。