夫を迎えに行ってみると
私と夫が結婚してすぐのことでした。ある日、夫から職場の同僚15名との大所帯の飲み会に参加することになったと連絡がありました。
私は「付き合いも大変だな」と思いつつも、楽しんできてねと快く夫を送り出しました。結婚後、ひとりで過ごす時間もなかなかなかったため、のんびりと羽を伸ばすことにした私。それから夕食を食べ、お風呂に入り、テレビを見てと、ゆったりとした時間を過ごしていました。
そんなとき、夫から1通のメッセージが届きました。「まだ飲み会中なのになんだろう?」と思いながらも内容を確認すると、「飲み会長引きそう……。早く帰りたい」とのことでした。
夫は元々お酒が好きではなく、普段は飲み会に行っても一次会で切り上げて公共交通機関で帰宅するタイプ。困っているようだなと思った私は、「今から車で迎えに行くよ。奥さんが来たって言えば帰してもらえるんじゃない?」と提案。
夫も了承したので迎えに行くことにしました。
お風呂も済ませてあとは寝るだけの状態だった私は、自分の姿が少し気がかりだったものの急いで出発。飲み屋の近くに到着して「着いたよ」と夫に連絡。
すると、すぐに夫から電話がかかってきたので出てみると「奥さーん!! 結婚おめでとう!」と知らない人の声が聞こえてきたのです。そしてその後も代わる代わる別の人に交代し、「旦那さんのどこが好きなの?」「迎えにくるとか仲良い~!」などなど、お酒の入った夫の同僚から冷やかしの声が……。
正直乗り気ではなかったですが、一応夫の立場も考えて私も愛想よく返事を返しました。ようやく夫に代わってもらうと「もうちょいかかる、ごめん」と言われたので、「電話はいいけど、私今すっぴんにパジャマでひどい格好だから同僚とは会えないよ」とだけ伝えて終話。
一瞬、飲み会特有の賑やかな雰囲気に圧倒されましたが、「楽しんでいるな~」と思いながらのんきに車の中で待つことにしました。
1時間待たされてやっと帰れる…
それからしばらく待ち、今から店を出ると連絡があったのは飲み屋の近くに到着してから1時間後でした。
「私が着いたって知っているのに帰らないの? 同僚も帰さないの?」という気持ちは若干あったものの、仕方ないかと思ってスマホを見ながら時間をつぶしていました。すると、しばらくして車の窓をノックする音が。
顔を上げると、そこには夫と同僚が勢ぞろい。固まる私はうつむきながら窓越しにペコペコ頭を下げます。「早く乗ってくれ~」と思っていたら、夫が運転席のドアを全開に……。
そして「ほら! みんなにあいさつして!」と信じられないことを言いだしたのです!!
結局、私は初めましての同僚たちに、ボロボロのスウェットとぼさぼさの髪、眉毛すら描いていない顔で自己紹介をさせられたのでした。
夫からまさかの逆ギレ
さすがの同僚も私がそんな状態だったとは知らなかったようで、お互いに気まずい雰囲気のままその場は解散。私も夫を車に乗せて、その場を逃げるように走り去りました。
私が車内で「私、同僚には会わないって伝えたよね?」と怒り気味に言うと、「勝手に迎えに来たのはそっちだろ」と夫はまさかの逆ギレ! さらに「誰もお前のすっぴんなんて見てないし、興味ないよ」とまで言い放ったのです。
たしかにそうかもしれませんが、夫の職場の人に初対面で今の自分の姿は失礼だし、何より恥ずかしい。さすがに私も我慢できず、そのまま言い合いの喧嘩になってしまいました。
家に帰り一旦喧嘩は収まったものの、私はこのモヤモヤを消化しきれず、どうすればよかったのか、事の次第を掲示板に相談として投稿してみることにしました。
するとすぐに回答がいくつか来たのですが、「あなたが準備しなかったのが悪い」「お酒が入った相手なら仕方ない」「次からは気を付けましょう」といった私の期待していた内容とは異なる回答ばかり……。
結局私のモヤモヤを晴らすことができず、泣き寝入りするしかできなかったのでした。
まとめ
結局その後も夫からの謝罪はなく、翌日から何事もなかったように日常に戻りました。後日、ちゃんと化粧もおしゃれもしているときに何人か夫の同僚に会う機会がありましたが、あのときの光景が脳裏に浮かび私だけが勝手に気まずい状態に……。このときの一件が私の脳内には鮮明に残ってしまい、それからは夫が親切心から何かをしてくれても「ありがとう」より先に「勝手にしたことでしょ」と言う言葉が思い浮かぶようになってしまいました。実際に口に出すことはありませんが、いつか本当に口に出してしまうのではないかと自分でも不安に思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/やましたともこ
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著者:石川ももこ
単身赴任夫と2歳娘の3人家族。ワンオペ育児も慣れてきました。おちゃらけてみせる愉快な娘に、日々笑わせてもらっています!