仕事ぶりに惹かれて式場を契約
ブライダルフェアでたまたま声をかけていただいた、若い女性のプランナーさん。聞けば、まだ入社して間もないとのこと。ブライダルフェアで必死に来場客にプランを提案したり、式場の魅力を伝えたりする姿にとても心を打たれ、「この人とならいい結婚式、披露宴が挙げられそう」という思いで、プランナーさんをその女性にすることを条件に、私たちはその式場に決めました。
そして、式の3カ月前になり、初めての打ち合わせの日。思えば、悲劇はここから始まっていたのです。
初めての打ち合わせの日。プランナーさんは30分遅刻して登場。慌てる様子や謝罪のひと言もなく、むしろ「忙しいんですよね」とアピールされ、私たちはあ然としてしまいました。
打ち合わせの時間だけではわからないことも多く、不明な点や不安な点が見つかったら、その都度メールをして回答をいただくことに。打ち合わせが終わって夫婦でいろいろと話している中でわからない点や不安に感じることがあったので、その点をさっそくメールで質問、相談をしました。
しかし毎回メールの返信が返ってくるのは早くて3日後。遅いときは2週間も待ちました。
それでも、「シフトもあるだろうし、入社して間もないと言っていたから慣れない仕事を頑張っているんだろうな」と思っていました。
だんだんと募る不信感
時が経つにつれ、返信のペースはさらに遅くなり、催促をしても、返信にはお詫びのひと言もなく、だんだんと「ブライダルフェアのときの仕事ぶりとは別人だな」と思うようになりました。
打ち合わせにも、当然な顔をして毎回遅刻をしてきます。
そのうち、「調べておいてほしい、上司の方に確認をとってほしい」とお願いしていたことにも、まったく応じてくれなくなりました。次第にこの方への不信感が募り、夫と「本当にこのままで大丈夫かな?」と話していたところ、式の2週間前に事件は起きました。
なんと、私たちが希望していた会場と別会場が設定されていたのです。
何度も打ち合わせやメールのやりとりを重ねていたのに「このミスはさすがにダメでしょ!」と驚いた私たち。プランナーさんに電話しても……と思い、慌ててプランナーさんの上司の方に直接電話をすることに。
上司に電話。すると…
プランナーさんの上司の方へ電話を差し上げたところ、なんと上司の方は何も把握されていませんでした。プランナーさんは自分のミスや現在の状況を、職場で「報連相」していなかったのです。
さすがに一生に一度の大切な日を、この人には任せられないと、上司の方にプランナーの変更を申し出ました。そして、この上司の方が責任を持って受け持ってくださり、その後はとにかくスピーディーに式・披露宴までのできていなかった準備や段取りをしてくださいました。
私たちは、式の準備が進んでいなかったことよりも、一緒に「大切な日を素敵な日にしよう」と目指してくれていたと思っていたので、悲しさのほうが大きかった気がします。
式までの最後の1週間で、上司の方が必死に相談に乗って、いろいろと提案してくださったおかげで当日は素敵な式を挙げられて、忘れられない1日となりました。また、ある意味忘れられない思い出にもなったなと感じています。
著者/なかまる あゆみ
イラスト/sawawa
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