独人時代、支え合った友人
私と友人との出会いは、短大でした。たまたま同じ地元から県外の短大に進学したという境遇で一気に意気投合。在学中からお互いの家に泊まりに行くなど、とても仲良くしていました。
短大卒業後、それぞれ就職したあとも一緒に食事をしたり、ドライブに行ったり。初めての海外旅行もその友人と行ったほどでした。今思い出してもとても懐かしい思い出です。そうして遊んでいるうちに、気づけば、お互い30歳を過ぎていました。
当時は、「20代のうちに結婚」というのがスタンダードで、私も友人も結婚を望んでいるのにいい出会いがないという悩みを抱えていて……。お互い、会えば「いい出会いがないよね」「結婚式に呼ばれるばっかりだね」と悩みを言い合うようになっていました。
「紹介したい人がいる」と言われ…
そんな私と友人ですが、あるときから距離ができるようになりました。きっかけは友人が私に「紹介したいAさんという人がいる」と話を持ち掛けてきたことです。
友人に誘われ紹介の場に行くと、Aさんに加え、なぜか初対面のご夫婦がいました。
あとでわかったのですが、そのご夫婦が友人に「Aさんに女性を紹介してくれないか」と頼んだそうで、私に声がかかったのです。そして、私と友人、Aさんと紹介者のご夫婦で飲み会をすることに。「飲み会」としか聞いていなかったので、「その日は飲み会だけで終わりなんだろう」と私は思っていました。
しかし当日、「せっかくだから」と二次会がセッティングされていました。そして、私が二次会の会場へ行くと、友人とご夫婦は姿を消していて、私とAさんは2人きりに……。
幸い、Aさんは悪い人ではなく「お互い初対面なのに、強引に二次会にされちゃったね」と言葉をかけてくれ、困惑している私をフォローしてくれました。
後日、友人を呼びだした
後日、私は「紹介の場として、勝手にいなくなるなんてありえない!」と友人に抗議をしました。
Aさんは悪い人ではなかったものの、彼のことをまだよく知らない初対面の場で、突然2人きりにされても困ってしまいます。
しかし、友人は「せっかくの出会いの場なんだし、一次会だけじゃもったいないでしょ?」と私が腹を立てている理由がさっぱりわからない様子です。
私は、今までずっと仲良く信頼していた友人の態度に「信じられない」という気持ちでいっぱいで、一気に失望してしまいました。
そして、私は友人との連絡を断つことにしたのです。友人からは何度か連絡がくることがありましたが、私はスルーし続けてしまい……。こうして、その友人とは疎遠になってしまいました。
友人との距離が生まれた結果
すっかり友人と疎遠になっていた私は、旅行も1人で行くようになり、ランニングや登山など新たな趣味を始めることにしました。また、ちょうどそのころインターネットが一般的に普及し始めたので、ネットコミュニティにも参加するように。このことで、自分の世界がぐんと広がりました。
そして、広がった世界の中で今の夫と出会い、結婚することになったのです。
長年の友人と距離ができたことがきっかけで、結婚にたどり着いた私。今思えば、お互い独身同士という立場にどこか安心しきっていたのかもしれません。
同じ境遇だと話も合うし、一緒にいることが何より安心ですが、逆に逃したチャンスも多かったのかもしれない、と今振り返ると感じます。
友人を失ってしまったことはとても悲しいですが、時間が経った今、再会できることがあれば、お互い笑顔でいられたらなと思います。
著者/さわ ゆき
イラスト/おみき
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