次の日、「学校で女子たちが自分のほうを見ながら内緒話をしていたのが嫌だった」と打ち明けたケイくん。
母・ふくこさんは、「ケイの心が一番大事」と伝え、これからもしケイくんが学校でツライときがあれば、どこかに避難できるように先生にお願いすると話します。
そんな中、先生はSさんのお母さんと連絡がとれたと報告してくれました。
その内容とは……!?
ダメだ。私には理解不能…
Aさんが事実を曲げてSさんに話していたということを、何度Sさんのお母さんに伝えても、「Sはいつもケイくんにひどいことを言われている。だから息子が叱ってやっただけ」「ウチが謝罪するのは変でしょ? もうSに暴言吐かないよう言ってくださいよ」と、まったく理解できていない様子。
「譲歩して『仲良くしてね』とやさしく言ってあげた」というSさんのお母さんの言葉に絶句するふくこさん。
担任の先生が「お家の人にSさんがどう伝えるかは分からない」と言っていた理由が見えてきたのと同時に、「ここまでの親、まったく初めてだ」とあぜんとしてしまったのでした。
「話せばわかる」という言葉がありますが、これは相手が話の内容が冷静に理解できる人というのが前提。相手によっては「話してもなかなか伝わらない」ということもあるでしょう。また、「事実」と「解釈」が混合してしまい、誤解を生んでいる可能性もあります。
このような場合は、互いに事実を正しく認識できているのかどうかを確認しながら話を進めたり、伝えたい要件を簡潔に話したりするなどの工夫をしていくと、少しずつ誤解がとけていくかもしれません。