学校に復帰して、さっそく生徒たちと話し合いの場をつくった鈴木先生。そして、その話し合いについて、ソウのお母さんに電話で報告をしました。
鈴木先生が、「先生がいない間に起きた事件について、みんなに確認したい」と話を切り出すと、生徒たちが次々とソウとレクトについて話してくれたそう。
「レクトが一方的にソウに殴りかかった」
「レクトはソウに、○ねとか○ろすとか言ってました」
他にも、「ソウがレクトにボールをぶつけていじめているところを見た人は?」という先生の質問には、
「ソウは休み時間、オレらと校庭裏で秘密基地を探していて、ボールを触っていません」
との証言が。
鈴木先生はレクトにも、「お前の言ってたことは本当なのか?」と確認します。するとレクトは突然、「うそじゃねぇよぉ! わぁぁぁ!!」と叫びながら、暴れだしてしまい……。
腫れていた少年の頬。実は…
「逃げられなくなったレクトが急に暴れ出してしまって、強制的に教室から連れ出しました」
鈴木先生の話に驚いたソウのお母さんは、事の顛末を尋ねます。
「では結局、明確になったとはいかず……?」
「いえ、そのあとレクトを落ち着かせて、僕とふたりで話し合ったときには観念したようで、すべてを認めました」
クラスメートの証言もあり、「ソウが言っていたことが正しかった」と鈴木先生も確認できたよう。休み時間にソウがレクトにボールをぶつけて、いじめていたという話も、嘘だとわかりました。そして、「ソウに殴られた」と言って腫らしていた頬は……。
「レクトが自分で殴ったそうです」
「!!」
「なんで、なんでそこまでしてソウを……」
執念ともとれるレクトの行動に、ソウのお母さんは顔を青ざめ、愕然とするのでした。
クラスメートの証言で追い詰められ、動揺し、暴れてしまったレクト。しかし、鈴木先生とふたりきりになると、素直に嘘をついたことを認めました。そして、自分の頬を殴ってまで、レクトを悪者にようとしたことが判明。ソウのお母さんが「なんでそこまでして……」と不思議に思ったように、レクトはどのような思いで自らを傷つけたのでしょうか。複雑な家庭環境が背景にありそうなレクト。嘘をついた理由はわかりませんが、もし家庭環境に問題があるのなら、根本的な原因を解決できるよう、周りの大人がサポートできるといいですね。