パニ子は37歳の専業主婦。夫・吉樹とは結婚7年目ですが、子どもはいません。
目の前で女の子が倒れて……
2人は子どもが大好き。現在不妊治療3年目です。不妊治療はお金や体力・時間との勝負。その難しさにパニ子は時折ネガティブになってしまいますが、吉樹はいつも励ましてくれています。
ある日、2人が気分転換に近所の公園を散歩していると、突然、小学生くらいの女の子が目の前で倒れました。2人は応急処置をして救急車を呼び、病院まで付き添うことに。結局、女の子は軽い熱中症だとわかり一安心。
その後、女の子の母親が病院に現れましたが、パニ子たちにお礼を言うこともなく「倒れたんだって? あれだけ迷惑をかけるなって言ったでしょ!」と女の子を叱責しています。
パニ子たちは「そんなに叱らなくたっていいのに……」とモヤモヤした気持ちを抱えながら、病院を後にしました。
女の子が突如いなくなった
翌日、公園の前を通りかかったパニ子は昨日の女の子と再会! ひまりという名前のこの女の子はきちんと昨日のお礼を言い、2人は買い物帰りに毎日のように公園で楽しい時間を過ごすように。ひまりとの時間は、不妊治療の困難さを忘れさせてくれる癒しの時間でした。
しかし1カ月後、突如としてひまりの姿が公園から消えました。パニ子は心配して待ち続けましたが、一向に現れる気配がありません。吉樹に相談すると心配してくれましたが、どうすることもできずにいました。
不妊治療を続けることさらに3年、2人は子どもを諦める決断をしました。そして、病院を出る際、「養子縁組制度」についてのポスターが目に入ったのです。
女の子と奇跡の再会。家族へ。
養子縁組制度に関心を抱いた2人は、施設を訪問。そこでは、なんとひまりが生活していたのです! 3年ぶりに会ったひまりはパニ子夫婦のことを覚えていてくれて、感動の再会を果たしました。ひまりの母親が姿を消したという事情を知った2人は、ひまりを家族として迎える決断をしました。
ひまりの意見を聞いてみると「私、パ二子さんみたいな女性になりたい!きっとこの人たちの子どもは、すっごく幸せなんだろうな、羨ましいなって思っていたの」と。吉樹が「俺たちは親子になるべく出会っていたんだよ、迎えに来るのが遅くなっちゃってごめんな」と言い、3人でぎゅっと抱き合い、晴れて家族になりました。
3人の穏やかで楽しい暮らし
今日はひまりの中学式。
「ママ、もう時間だよ!早く出発しないと!」「私の忘れん坊は、パパ似だね! パパは保護者代表挨拶するんだから、しっかりしてよね!」と朝から準備に追われています。そんなドタバタの朝も、パニ子一家にとっては楽しい日常です。
「さあ、卒業式へ行こう!」と、3人は笑顔で家を出発しました。これからも穏やかな日々が3人に続きますように……!
-
「すぐにげて!」ファミレスで女の子から渡された謎のハンカチ。書かれていた言葉の真意とは?
-
「Fラン大卒とか恥」合コンで学歴マウントを取る勘違い女⇒男性陣が経歴を伝えた結果…
-
「30歳で独身なんて欠陥品」同窓会で馬鹿にする同級生⇒尻尾を巻いて逃げ出したワケは?