一方そのころ、ふくこさんは教育センターに電話で相談してみることに。
これまでの事情を説明して、ケイくんに夜驚の症状があるということを伝えると、カウンセリングをすすめられました。
しかし、ふくこさんは
「どうして被害を受けた側だけがカウンセリングをすすめられるのか」
「カウンセリングが本当に必要なのは、S家の人たちではないのか」
と、相談員の方の提案に違和感を覚えるのでした。
認知が歪んでいる可能性があります
特に海外では、問題を起こした側がカウンセリングを受けるという例があるものの、実際には受ける意思がない人にカウンセリングを受けさせることは難しいとのこと。
相談員の方は、「できる限りSさんと息子さんは関わらないように」と忠告してくれました。さらに、「もし次に何かあったら、警察に連絡してください」と、Sさんの兄がアルバイトをしていた靴屋の店長さんと同じく、警察に相談することをすすめるのでした。
この他にも、ふくこさんは、S家について児童相談所に話したほうがいいのかどうか質問をしたところ、過去のネグレクト等に関しては児相でも対応が難しいとの返答だったそう。
SさんもSさんの兄も、ネグレクトをされていたり、ヤングケアラーであったりりした当時に、周囲から適切な保護を受けられていれば、ひょっとしたら認知の歪みが起きていなかったかもしれませんね。