その日の午後、ふくこさんはケイくんを迎えに学校へ向かいました。
すると、担任の先生から「すみません。教室の隔離について、“できない”ということになりました」と聞かされます。
学校側へは、必要なときにはSさんたちと距離を置かせてもらうようにお願いしていたはずだったので、困惑するふくこさん。
先生とケイくんとの間では「つらい気持ちになったときには手を挙げる」とサインを決めて実践したものの、他の生徒たちが「なんでケイくんだけ?」と騒ぎだしてしまったそうなのです。
ふくこさんは、先生の様子から「全体に許可できないものは個人に許可できない」「前例がない」などと上の立場の人に言われた可能性があると察し、校長先生に話を聞くことにしたのですが……。
学校側の対応に、怒りで震える…
この期に及んで校長先生は、
「ケイくんだけ……というわけにもいかないので」
「Sさんのお兄さんも、きっと妹を思うやさしさから、行動を起こしてしまったと思うんです」
と言い出しました。
さらに、Sさんの母は学校からの電話にすら、なかなか出ない状況にもかかわらず、
「今後も密に連絡を取り合い、話していくつもりでおります」
など、きれいごとを並べて、今回のことを鎮めようとする校長先生。
怒りに震えるふくこさんを前に、校長先生は明るい表情で「市に相談したところ、教育課の支援教育部のマネージャーが話を聞いてくださるそうです」と話します。
実際に被害に遭っており、切羽詰まった状況のふくこさんとの温度差を感じますね。
ふくこさんは、
「私は、恐らくその市の方が間に入ってくださっても、話し合いなどできないと思っています。申し訳ないけれど、これまでいろいろ調べさせてもらった結果、お話できる人たちではないと感じています」
と、はっきりと伝えたそうです。
SNSのコメント欄にも、
「校長先生、何もわかってない。現場を目にしている担任の先生のほうが、まだわかっている感じがする」
「生徒間でトラブルが起きたとき、個々に対応するのは当たり前のことなのに……。みんな行きたがるなら、理由をちゃんと説明して諭すのが先生の役目だと思います」
「皆さんと同じく、怒りでプルプルします! 校長先生の言っていることや考えが理解できません」
と、学校側の対応に疑問を持つ人の声が多数。
今回の場合、ふくこさんが学校や教育センターに相談しても、なかなか具体的な解決策が見えてきませんでした。ましてや相談相手との間で温度差があれば、被害者の心はさらに傷ついてしまいかねません。
トラブルが発生した際、現場の関係者の中には、とにかく物事を穏便に済ませたいと思ってしまう人もいることでしょう。しかし、特に人間関係のトラブルにおいては、誤解のないように事実を明らかにした上で、きちんと問題点を洗い出し、適切な対応策を考えることが大切ではないでしょうか。
学校側が傷ついたケイくんに寄り添い、親身になって問題解決のために協力してくれることを願うばかりです。