子ども用ハサミの切れ味に「ドキッ!」
息子が3歳のときに、私は子育てサークルの役員をしていました。集会所でおこなわれている定例会に息子と参加し、おばあちゃん6人と一緒に、子育てサークルや保育園の園庭開放で配る手作りおもちゃを製作。空き箱や空き容器などを活用して工作し、刃物を使う作業は危ないので、大人が使用するように注意していました。日頃からお手伝いしたがる息子のために、その日は子ども用のハサミを持参。普段からケガをしないように声をかけて、注意深く目を光らせています。人見知りでその場になじむのに時間がかかる子でしたが、おばあちゃんたちが「今日はなにを作ろうか?」「お手伝いしてくれる?」「ここを切ってね!」とやさしく声をかけてくれたおかげで、緊張もほぐれのびのびと過ごしていました。
その日はライオンの顔のおもちゃを作ります。ダンボールを丸く切って、周りに毛糸を付け、洗濯バサミでヒゲを作ったら出来上がりです。楽しくなってきた息子は、ご機嫌で毛糸をチョキチョキ! 私が他の作業に集中していたとき、耳元で「チョキン!」という音が……。驚いて振り向くと、私の髪の毛が落ちていました。その場に居合わせたおばあちゃんたちも「まあ……!」と驚き、息子は「やってしまった!」とばつが悪そうにしていました。そんな息子を見たおばあちゃんたちはすかさず、「はさみがおもしろくなっちゃったのね」「でも勝手に切ったら危ないのよ~」と穏やかに諭し、やさしく注意してくれました。おばあちゃんたちの言葉に、息子も反省している様子です。
「ハサミは物を切る道具。人に向けるのは危険だからダメよ!」と私も注意しつつ、はさみを入れた相手が私でよかったと安堵。子どもは舞い上がると思いもよらないことをしてしまうものだと実感しました。今後は目を離さないよう見守り、手助けしながら道具の扱い方を教えたいです。
著者:中田 佐知子/30代女性・主婦。2人の男の子を育てるママ。犬好きで、散歩中に出会う犬に声をかけるクセがある。
作画:ヒロミンミン
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています