さゆりさんの切実な思いを受け、「私にできることはなんでも言って! 力になるから」とかなこさんが申し出ると、「ありがとう。じゃあさっそくだけど、ここのお会計……いいかな?」そう言ってカフェの伝票を差し出すさゆりさん。
思いもよらない言葉にかなこさんは戸惑いますが、了承し、「お金はいらないから、これからは家でランチしよう!」と大変な状況のさゆりさんを気遣いました。
その日の夜、「ごはんめっちゃ楽しみ〜♡ かなちゃんちお酒ある? 飲みたーい♡」と、さゆりさんからメッセージが……。
少々驚いたかなこさんですが、「もしかしたら旦那さんやお姑さんに飲ませてもらえないのかも。家でつらい思いしているんだもんね……。私のうちでくらい楽しく過ごしてほしい……」と、さゆりさんの家庭事情に思いが及ぶかなこさん。
「いろいろお酒買ってみよう。さゆりちゃん喜ぶといいな」と、かなこさんは意気込んで、来週のランチを心待ちにしていましたが……。
心配していたのに…「なんかおかしくない?」
さゆりさんを家に招くため、準備万端でリトミックの日を迎えたかなこさん。教室に入ると、さゆりさんとさとこさんが何やら盛り上がっていました。
「すっごーーーーい! うらやまし〜! 信じられな〜い!」
歓声をあげるさとこさん。
「なんの話をしてるんですか?」
かなこさんが声をかけると、「見て♡ このバッグ♡ 義母が家に来てるって言ったでしょ? お土産だって買ってきたの♡」と、さゆりさんはハイテンションでブランドもののバッグを見せびらかしてきました。
「え……すごいね……」
ぎこちない反応のかなこさん。「義母にいびられてるの……。娘のこと奪われるかも……」そう涙していたさゆりさんを思い浮かべていました。
「一体なんだったの……?」
「うちの姑って会社何個も経営しててさ〜。しょっちゅうプレゼントくれるんだよね〜」
自慢げに話すさゆりさん。
「えっ、大地主なんじゃないの? なんか……おかしくない?」
さゆりさんの家庭事情をとても心配していたかなこさん。先週、カフェで聞いた話とつじつまが合わず、不信感を抱いてしまうのでした。
「義母にいびられている」と泣いていたとは思えないほど、楽しそうに義母からのプレゼントを自慢していたさゆりさん。かなこさんはさゆりさんの家庭事情をとても心配していました。「一体なんだったの……?」と不信感を抱いてしまってもしょうがないように思います。
さゆりさんには何か裏があるのか、それとも、またしても何かつらい事情があるのか……。いろいろと勘ぐってしまいますね。どちらにしても、純粋に「友だちを支えたい」と思っていたかなこさんの気持ちが裏切られないことを願うばかりです。