交換時期がやってきた
私の中で、5年というのは長いようであっという間でした。4年が過ぎ、交換を考え始めた際「交換しないとな」と思いながらも、「交換時期ってあくまで目安みたいなもので多少は誤差があるのでは?」と軽く考えていました。
しかし生理時、経血量がミレーナを入れる前に戻りつつある状態に。自分の中でもミレーナの効果が薄れていることは明らかでした。そして、満5年まではまだ日数はありましたが、早めに交換することを決意したのです。
え? なんでダメ?
交換といえど、費用は安いものではなかったのでまずは夫に相談することに。夫にミレーナを交換したいことを伝えたところ、二つ返事でOKしてくれました。
しかし数日後、夫から「やっぱりミレーナは許可できない」と言われたのです。夫はインターネットでミレーナのことを改めて調べたようで、その際「避妊に効果がある」というところばかり目につき、私が「避妊目的でミレーナを入れたい」と言っていると思ったようなのです。
「避妊目的なんて怪しいだろ。男と遊びたいのか?」と私にとってはハテナが浮かぶ主張ばかりされてしまって……。
私の場合は経血量の多さ、貧血など生理時の症状に悩まされて装着しました。そのことは最初にミレーナを入れた際に伝えていたはずですが、夫としては「一度ミレーナを入れたことで、私が悩まされていた生理症状は完治した」と思っていたようです。だからこそ、次にミレーナを入れるのは「避妊目的」だと感じたのだとか。ミレーナには交換期間があること、外せば効果が薄れることを夫は知らなかったのです。
夫の言い分にどっと疲れてしまいましたが、私は夫に「ミレーナには交換期間があり、外したり、効果がなくなれば、以前あった貧血症状がまた表れてしまう。そして有効期間は最長5年のため交換の必要があること」を伝えました。しっかり話したことで、夫にはようやく納得してもらえ、その後、無事にミレーナ交換をすることができました。
ミレーナに対する奇異の目
夫に「避妊目的ではないか」と言われた際、思い出したことがあります。以前、ママ友と話しているときに「ミレーナを装着して体がラクになった」と話をしたことがありましたが、その際も、なぜか避妊目的であることばかりが注目されて……。
ママ友たちからは「もう子どもは作らないんだ?」「進んでるね~」「夫婦で仲が良いんだね~」というようなズレた反応があったのです。私がミレーナを使用するのは、「夫とセックスがしたいから」と捻じれた解釈がされてしまったようでした。
ミレーナは月経困難症や月経過多に効果があると認められているのに、同じ女性でも「避妊目的」のほうに目がいきがちなことに少し悲しくなりました。そして、例え避妊目的であったとしても、カップルが安全にセックスを楽しむことは決して悪いことではないと思います。ママ友たちの反応に、モヤッとしたことを覚えています。
私はミレーナ2周目でQOL爆上がり中です。過去の私のように、生理でつらい思いをしている方はたくさんいると思います。だからこそ、つらいのは当たり前ではなく、症状の軽減や解決のためにさまざまな選択肢を検討していいのだと言いたいです。そして、ミレーナに関する正しい知識が広がり、ミレーナを選択する人が傷つかなければいいなと願っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
※ミレーナの避妊効果は100%ではありません。性感染症予防のためにもコンドームの使用を推奨します。
著者/天木 みみ
作画/加藤 みちか監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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