いい距離感が心地よかった義両親との関係
付き合っていたころから夫の実家には年に2回ほど遊びに行っており、義理の両親とも特に問題なく付き合っていました。夫は付かず離れずの距離感を大切にする人で、義両親も一人息子にべったりという感じもなく、結婚してもちょうど良い距離感で付き合っていけそうと思っていた私。
しかし、結婚して早々にそれがただの思い込みであったと思い知らされます。義両親は人当たりもよくやさしい人たちですし、常識人です。ただ、それはあくまで他人として見たときの感想でした。
結婚して、身内となった瞬間に今まで保っていた距離感や節度、私が理想としていた義両親との付き合い方が崩れ去っていったのです。
アポ無しで突然やってきた義母
ある日の義母から夫に「今から遊びに行くね」と突然連絡がきました。そして、20分も経たないうちに義母が到着。そして、私に「今から出かけるわよ」と言うのです。
この日は休日で、家事などやらなくてはいけないことが山積みでしたが義母のお誘いでバタバタと準備をすることに。突然のことに驚きながら義母についていくと、着いた先は映画館でした。
そして義母は「娘がいたら一緒にお出かけしたかった。お嫁さんができたら、娘にしたいことを全部しようと思っていた」と、満面の笑みで言います。あまりにうれしそうな姿に、私が嫁にきたことでこんなに喜んでくれるなんて……とその日は一緒に楽しく映画を見ることにしました。
義母に振り回される私
しかし、義母の突撃はこれだけでは終わりませんでした。次の週はまた突然誘われて、義母が好きな俳優が出演するミュージカルに行くことに。ほかにも、ピアノ講師をしている義母は「お嫁さんにピアノを教えたかったの。いつか孫ができたときのためにも今からピアノを買いに行きましょう」と楽器店巡りをした日もあります。
また、義母が長くハマっているという韓流ドラマのおすすめDVDまで全巻セットでプレゼントしてくれたことも。私自身、まったく韓流ドラマに興味がないため、どれだけ勧められようと見る気がおきません。はじめは「義母の願いを叶えてあげたい」と思っていましたが、この辺りから義母に付き合うのがだんだん苦痛になってきました。
とはいえ、義母本人にはまったく悪気がありません。いじわるもされず、好意的に接してくれているのにむげにするのも申し訳なく、しばらくは我慢していました。
そんなある日、溜まりに溜まった義母へのストレスが、蕁麻疹として体中にあらわれてしまいました。そこで「そろそろマズいのかも」と感じた私は夫に相談して、夫から義母へ、わが家とは少し距離をおいてもらうよう伝えてもらいました。
義母はとてもいい人ですべて良かれと思ってやっていたので、私の不調を知った際も「私のせいで」ととても悔やんでくれました。それからは義母の理想に付き合うことはなくなりましたが、私なりに義母が喜んでくれそうなことを模索しながら付き合っています。
著者/谷岡ゆうき
作画/ちえ
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