パニ子は年下の夫・ケンタと結婚したばかり。ケンタが大好きで結婚したのですが、義母に挨拶に行ったときから、モヤモヤを感じ始めるように……。「もしかしたらこの結婚、間違いだったのかも」と思うようになったのです。
違和感のはじまり
ケンタに違和感を覚えたのは、結婚の挨拶をしに義母の家を訪れたときのこと。
会って早々、「こんな年増女!ケンタちゃんとの結婚は認めません!」といわれてしまいます。
返す言葉に困るパニ子。
しかしケンタは
「パニ子は大企業の役員なんだ♪ 給料も高いんだぞ~!」
と妙な庇い方をしたのです。
お金のために結婚したの!?
少し不信感を覚える言い方でしたが、それを聞いて義母の態度は好転。
単に義母に結婚を認めさせるためにいったのだと、パニ子は思い直しました。
義母が勝手に持ち出すなんて…
結婚して数カ月、パニ子の仕事は順調で、次第にケンタは仕事をセーブし家事を引き受けてくれるようになりました。
ある日、パニ子がクローゼットの片付けをしていると、一番大切なブランド物のバッグがなくなっていることに気付きます。
ケンタに聞いても「知らない」の一点張り。
掃除をするときに探しておいてほしいと頼みます。
しかし、バッグの在処はあっさり発覚!
「明日忘れずにパニ子のバッグ持ってきてくれよ、母さん。パニ子がグチグチうるさいから!」
義母と電話で話すケンタの声を聞いてしまったのです。
「私のバッグ、お義母さんが勝手に持っていったの!?」
詰め寄るパニ子に、ケンタは気まずそう……。
よくよく話を聞くと、毎日家事をしていたのはケンタではなく、義母だったのです。
これでは安心して家を空けることができません。
「もう二度と義母を家にあげないでほしい」とケンタに伝えると、
「家事をやってくれた母さんに怒るなんてサイテー!」と、まさかの逆ギレ!
離婚の決定打!
逆ギレするケンタは頼りになりません。
パニ子は義母に電話をかけました。
「私のものを勝手に持っていかないでください! 洗濯や掃除も、もう結構です!」
しかし開き直る義母。
「嫁のものを姑が借りて何が悪いの!? 姑に偉そうな態度をとるな!」
そういって、電話を切ってしまいました。
パニ子のバッグは、いつまで経っても返ってきません。
もちろん、ケンタは義母に何もいいません。
さすがのパニ子も離婚を決意。
今すぐにでも出ていきたかったのですが、週末は以前から約束をしていた姪・ルミのバースデーパーティーがあります。
ケンタや義母と席を囲むのは憂うつでしたが、ルミをがっかりさせたくないパニ子は、嫁として最後のお務めと思い、出席することにしました。
「親族水入らずね! 他人は帰れ!」
ルミのバースデーパーティーの会場であるレストランに向かうと、ルミの父であり義兄のユウトがあたたかくパニ子を迎えてくれました。ふと義母に目をやると、図々しくもパニ子のバッグを持っています。
今にも取り返したい思いでいっぱいのパニ子でしたが、ルミの手前、それはできません。
とにかく今は平和に……。
そう思っていた矢先、義母はまさかの行動に出ます。
「7名様でご予約のお客様でしょうか?」と声をかけるウエイター。
「はい」と答える義兄をさえぎり、「予約は6人で~すw」と義母。
「今日は親族水入らずね! パニ子さんは他人だから帰れ!」
そういってパニ子を追い返そうとします。
そんな義母を見て、ケンタはフッと笑います。
はらわたが煮え繰り返る思いのパニ子でしたが、ルミのバースデーパーティーを台無しにするわけにはいきません。
「わかりました。帰ります」
と、つとめて冷静にその場を後にしました。
私、家族じゃないのね。それなら……
残された皆はというと、義母とケンタの態度にルミは大激怒!
義兄・義姉も呆れてしまいます。
「俺帰るわ。こんな空気の中食事していられない。」
「私も帰る。愛娘の誕生日を台無しにした人たちと一緒にいたくないし。」
そういって、レストランから帰ってしまいます。
図太い義母とケンタは、そのままレストランで食事をした様子。
しかし、会計になると急に顔面蒼白に……。
それもそのはず、ケンタが持っていたクレジットカードはパニ子の家族カード。
他人といわれたパニ子は、すぐさま家族カードを停止したのでした。
日ごろから金遣いが荒く、現金や他のカードを持っていないケンタは、「カードが使えない」と焦ってパニ子に電話をかけてきます。
「当然よね? 私、家族じゃないんだからw」
そういって、パニ子は「通話終了」のボタンを押したのでした。
他人だった者同士が縁あって家族になったのだから、できれば仲良くしたいもの。しかし、家族だからといってなんでもアリということはありません。尊重し合い、節度を守って接することが大切ですね。