しかし、月末になるとさゆりさんは、「実はね、お金返せなくなっちゃったの」とかなこさんに切り出しました。「義母と夫に見つかっちゃって。おろしたお金を全部取られて、生活費も減らされちゃって……」と涙ながらに説明するさゆりさん。そしてその日、頭に巻いていた包帯は、「夫の仕業によるケガ」と言うのです。
かなこさんは、さゆりさんを心配する気持ちから、「病院には行った!? 診断書は!? 実家に逃げられない!?」など矢継ぎ早に質問します。そして、「大丈夫。私が我慢すれば平和なのよ」と話すさゆりさんに何度も食い下がりました。
さゆりさんの話は、借金を踏み倒すための嘘。本気でさゆりさんを心配するかなこさんの様子に、「お節介うざ……。タダ飯おいしかったけど、引き際かな」と考えていたさゆりさんは、「私、しばらくかなちゃんちに行くのやめることにした」と言い出して……。
偶然遭遇した相手は…!?
さゆりさんから夫のDVの話を聞いた日の夜。
「なんとしてでもさゆちゃんを救い出して、お金も取り返さなきゃ……」
かなこさんは、友だちをDVから救う方法を調べていました。さゆりさんの家に行くことや、通報することなどを考えたものの、「私が何かして、さゆちゃんの立場が悪くなったらどうする……?」とさまざまな考えが頭を巡るかなこさん。
しかし、「あんなケガをさせられて、もう立場とか言ってられない段階だよ。一刻も早くなんとかしないと……」と、さゆりさんを救おうとする気持ちは固まっていました。
日曜日、娘を預けて買い物にでかけたかなこさん。すると偶然、さゆりさんとさゆりさんの夫を見かけたのです。
「あれが暴力夫……! 許せないっ! 私がガツンと言わなきゃ!」
かなこさんが「一刻も早くなんとかしないと」と考えていた矢先、さゆりさん夫婦に遭遇。かなこさんは、さゆりさんの夫に忠告しようと決意するのでした。
ママ友を夫のDVからどうにか救おうと意気込むかなこさん。頭に包帯を巻いたママ友の姿を目の当たりしたら、助けたいと思うのは当たり前ですよね。しかし、家庭内で起きている問題を第三者が解決するのは、一筋縄ではいかないように思います。
さゆりさんの場合、DVの話は借金を踏み倒すための嘘ですが、かなこさんは勇気を出して、偶然遭遇したさゆりさんの夫に話しかけよう決意しました。皆さんはもし、かなこさんのようにママ友に暴力を振るっている当事者に遭遇したら、どうしますか?