「産後ですけど!?」呼んでいないのにやってくる義母
実は私は義母が大の苦手!
なかなか子どもに恵まれなかった私たち夫婦に嫌みばかり言っていたことは、忘れられそうにありません。
遠慮を知らない義母なので、出産予定日も退院予定日も、入院している病院も知らせていませんでした。
産後の経過は順調で、予定通り退院した私。
幸い、夫も育児に積極的なので、里帰りはせず自宅に戻ります。
ピンポーン♪
それは退院した翌日のこと。インターフォンがなったので、ボロボロの体を引きずりながらドアを開けると、まさかの義母。
なんとアポなしで押しかけてきたのです。
「退院の日を教えないから、3日も通ったじゃないの!」
義母は入院中も毎日来ていたようで、苛立っている様子。
産後で本調子ではない私には目もくれず、ズカズカと上がり込みます。
「結婚式に合わせて妊娠なんて、嫌がらせ?」
義母が鳴らしたインターフォンで、昼寝から目を覚ました双子は号泣! 新米ママの私はアタフタしますが、義母は助けてくれません。
泣いている声が聞こえないのか、話を続けます。
「あなた、どうして結婚式に出席しないのよ!」
実は2日後には、義兄の結婚式が控えています。
義兄夫婦には申し訳ないと思いつつも、産後間もない私と夫は欠席すると返事をしていました。
私は、わからずやの義母に丁寧に説明をしました。
「私、まだ産後まもなくて体がつらいんです。ミルクを作るために歩くのがやっとで長時間座っているのはちょっと……。それに、双子を外に連れて行くのも心配なんです」
「双子はあなたのお母さんに預けなさいよ! それに座っていられないなら立っていればいいじゃない!」
と、義母は譲りません。
「だいたい、結婚式に出産を合わせてくるなんて、嫌がらせじゃない! 結婚式には這ってでも来なさい!」
何が何でも私たち夫婦を結婚式に参列させたい義母。そこまで言うなら、私にも考えがあります。
私は結婚式当日に向けて、準備を進めることにしました。
「たかだか出産したくらいで……」
こうして迎えた義兄の結婚式当日。
結婚式用の服を準備できなかった私は、普段着で式場に向かいます。
双子は私の母に預けたものの、直前までお世話をしていたので、服も髪型もボロボロです。そして長く立っているのは体がキツいため、車椅子を用意しました。
夫は心配そうにしていますが、ここで引き下がるわけにはいきません。
普段着&車椅子で親族の控室に入って行った私は、注目の的!
「なんて格好! それになんで車椅子!? たかだか出産したくらいで大げさなことしないでよ」と義母。
しかし、「え、まさか出産直後なの!?」「大丈夫かしら……」ざわつく親族を見て慌てています。
「這ってでも来いと言われましたが、這うとおなかが痛いので車椅子にしました!」
「産後だなんて……ずっと座っているのもつらいでしょ。控室でお休みになる?」
追い討ちをかける私に、義兄の奥さんのお母さんが声をかけてくれました。
「いいえ〜、座っているのがつらいというと、お義母さんに立たされてしまうのでお構いなく!
産後だったので欠席する予定でしたが、お義母さんがわざわざ退院した次の日にうちに来てくださって誘ってくれた結婚式なんで、来ないわけにはいきません。
双子がギャン泣きしているのを無視してまでピンポン押してくれるなんて、よほど私に来てほしかったということですもんね」
私は事実をすべて暴露しました。
嫁の体を労わない義母の末路
「お宅は嫁に対してそんな仕打ちをしているのか!?」
「そんな人と親戚になるなんて、まっぴらごめんだ」
義母の異常性に気付いた義兄の奥さんの両親。
そこに義兄夫婦がやってきます。
「母さん、そんなことを言ったの? 僕たちは欠席でいいって言ったのに! 俺の大切な妻にまでそんなことをするのかと思ったらゾッとするよ!」
そういって、義母を式場から追い出したのでした。
これまでも義兄と夫の彼女たちに嫌がらせをしていたという義母。これをきっかけに、子どもたちから距離を置かれてしまいました。
その後、夫は式に参列。私は義兄が用意してくれた部屋で体を休めることになりました。
義兄夫婦の計らいで、披露宴で出されたフルコースを部屋でゆっくり堪能した私。
やさしい家族に囲まれて幸せだと実感したのでした。
◇ ◇ ◇
産後のダメージは母体にとって相当のもの。元気そうにしていても、無理をさせてはなりません。夫はもちろん、周りのすべての人が気遣うことができるといいですね!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。