パニ子は3カ月前に娘のパニ美を出産したばかり。現在は育休中で、慣れない育児に奮闘しています。でもパニ子には育児以上に頭を悩ませていることがあって……。
男らしい人だと思っていたけれど……
「俺は毎日お前たちのために働いてるってのに、メシこれだけ? 家も散らかってるし。1日中家に居るのになにしてたんだよ!!」
赤ちゃんを抱えての家事は難しく、夜間の授乳もあっていつも睡眠不足のパニ子。まずは体調管理からと、パニ美が寝ている隙にできる限り休むようにしています。
そんなパニ子を、夫のハルトは「怠けている」というのです。
子どもはベッドに置いておけば勝手に寝る、放っておいても育つと思っているハルトは、どんなに説明しても子育ての大変さを理解しようとしません。
家事や育児を分担したいと伝えると、「お前、育児をするための休暇中だろ? なんのために休んでるんだよ。文句があるなら俺よりも稼いでから言えよ!」と、常に上から目線。
結婚前は、そんなハルトを“男らしい人”だと思っていたパニ子でしたが、実は時代錯誤の亭主関白男で、気に入らないことがあると怒鳴ることもしばしば……。
子どもが生まれたら変わるかも? と期待するしかありませんでした。
おむつは汚い! 夜泣きはうるさい!
しかしハルトは、子どもが生まれてからもすべてにおいて他人事!
おむつの交換をしていると「汚い! そんなのトイレでやれ!」と言い、部屋にあるパニ美のおもちゃは邪魔扱いをします。
パニ美の夜泣きにもガチギレ!
「うるさくて眠れない!! なんとかしろよ!! 俺、明日も仕事なんだぞ!」と、泣き出すたびに怒鳴るので、パニ美も驚いてしまい余計に泣くという負のループに陥ります。
赤ちゃんが泣くのは当たり前なのに、
「こんなにうるさいなら、子どもなんていらなかったな」
とまで言い出す始末。
家事と育児に追われて毎日クタクタになっているパニ子を横目に、ソファーでダラダラスマホを触ってばかりです。
「2人の子どもなんだから、2人で育てるのが当たり前でしょう?」
さすがに我慢の限界に達したパニ子が言うと、わざと大きな足音を立ててどこかへ行ってしまいました。
ハルトとの将来に不安を感じたパニ子。なんとかハルトに親の自覚を持ってもらおうと決意したのですが、そんな思いを打ち砕く出来事が起きるのです。
「俺にうつすなよ」嫁より自分を心配するの!?
数日後、朝から体調が優れないパニ子。体温を測ると、39度を超えています。
起き上がることもできず、パニ美のお世話なんてもってのほか。
「良い機会かも」と思い、すぐさまハルトに連絡を入れました。
『熱があって起きられない。今日は早く帰って来てパニ美をお願いします』
すると、ハルトからすぐに返信が……。
『風邪か? 俺にうつすなよ! うつされたくないからしばらく外泊するわ! 治ったら連絡して』
『じゃあ、パニ美の世話は!?』
『俺に面倒見られるわけないじゃんw それに、どうせパニ美にもうつってるんだろ? ますます帰れないわw』
そしてそれ以降は未読無視!
ハルトは自分にとって都合の良い、身の回りの世話をしてくれる召使いが欲しいだけなんだと、パニ子は腹を括ったのです。
時代錯誤な亭主関白夫の末路
数日後、パニ子はやっと本調子を取り戻しましたが、ハルトへの連絡はしないまま。
1週間後、しびれを切らしたハルトから連絡が入りました。
『そろそろ治ったか? 連絡ぐらいよこせよ!』
パニ子やパニ美を心配する声はありません。
パニ子は既読無視。ハルトからは鬼のような着信が入ります。
さすがのしつこさに電話をとったパニ子。
ハルトは、待ってましたと言わんばかりに叫びます。
「いい加減にしろよ! 外食続きで体調崩したらお前のせいだぞ! 俺が稼げないと困るのはお前だろう!? 治ったなら、さっさと俺の面倒見ろ!!!」
どこまでも、自己中心的なハルト。家に帰ってもらっても構いませんが、パニ子はすでに引っ越し済み。テーブルの上の離婚届が待っているだけです。
亭主関白を拗らせたような男に、もはや用はありません。
離婚はしっかりと成立させ、パニ美と2人の暮らしをスタートさせたパニ子でした。
なんでもパニ子任せにしていたハルトはというと、あっという間に部屋はゴミ屋敷。不規則で高カロリーな食事が祟り、体調を崩したのだとか。自業自得としか言えない結果ですね。
昔は亭主関白な男性が多くいたようですが、令和の今、夫婦や家族の在り方は変化しています。核家族化が進む昨今ではなおさら、夫婦それぞれが主体的な立ち位置に立った子育てをしたいものですね。