今日は休日。パニ子は夫のリョウタと娘のパニ美の3人でショッピングモールに出かけました。久しぶりのお出かけを満喫する3人でしたが、ひとつ気になることが……。さっきから、見知らぬ女性がついて来ているような気がするのです。
「この人、万引きしましたよーーー!」
行く店行く店で出くわす見知らぬ女性。「まさか誘拐!?」パニ子は不安になり、勇気を出して声をかけました。
「さっきから私たちの後をつけて来ていませんか?」
見知らぬ女性は突然声をかけられて驚いた様子。
しかしその直後、威圧的な口調でパニ子に詰め寄ってきたのです。
「私だって好きで後をつけて来たワケじゃないわよ! アンタが何か怪しいと思って監視してたのよ!」
思わぬ言いがかりに、呆気に取られるパニ子。
次の瞬間、女性は大きな声で叫びました。
「店員さーーん! この人、万引きしましたよーーー!」
あたりは騒然! 買い物をしていた人たちが一斉にパニ子のほうを振り向きました。
これではまるでパニ子が万引きしたかのようです。
カバンから出てきたのは……
あっという間にたくさんの人に囲まれるパニ子。
支配人や警備員がやって来て、渋々警備室に連れて行かれることになりました。
「わかりました。行きます。でも、目撃者であるあちらの方も一緒に行きましょう」
とんだぬれぎぬ! 納得が行かないパニ子は、無実の罪を晴らして謝らせようと、先ほどの女性も一緒に行ってもらうよう促します。
「万引きは犯罪だ! 警察が来るまで待っていろよ! たとえ子連れでも容赦しないからな!」高圧的な支配人にムッとしたパニ子。
「万引きなんてしてません! どうぞ、好きなだけ調べて!」
そう言ってカバンの中身をすべて出しました。
カバンに入っていたパニ子の身分証を持ち上げた支配人はギョッとします。
そこに書かれていたのは『パニコレ警備 警備長 パニ子』の文字。
実はパニ子は大手警備会社に勤める私服警備員で、やり手の万引きGメンだったのです。
あらぬ罪をなすりつけられた結果
社内でも検挙率ナンバーワンのパニ子。
パニ子にぬれぎぬを着せた女性こそ、怪しいということに薄々勘づいていました。
「というワケで、あなたもカバンの中身を見せてもらえるかしら?」
女性はとたんに青ざめていきます。
支配人や警備員も、パニ子が万引きGメンだとわかった途端、手のひらを返したかのように、女性に詰め寄ります。
ついに観念した女性のカバンからは、化粧品や雑貨がわんさか出てきました。
「これ、買ったものじゃないですよね? レシートありますか?」
女性は一所懸命カバンの中を探すフリをしますが、もちろんそんなものはありません。
「誰かを万引き犯に仕立て上げて、騒ぎになっている間に、お店の商品を自分のカバンに入れてたってワケね」
立場は逆転し、そのまま女性は警察に連行されて行ったのでした。
人を罪人に仕立て上げた末の万引き、タチが悪いですね。とはいえ、あそこまで騒がれてしまうと、店側も見逃すことはできません。しかし、無罪だった場合、その本人はとても傷ついているはず。はんnが罪を償うことはもちろん、店側も誠心誠意謝罪する姿勢が求められますね。