パニ子は33歳の看護師。娘のパニ美が保育園に通うようになり、正式に小児病棟に復帰することになりました。天職とも言える医療職に戻り、やりがいを感じていたのですが……。
ママ友との付き合いは大切だけど……
仕事は楽しいけれど毎日クタクタ! やっとの思いで保育園に迎えに行ったパニ子は、パニ美の友だち・ユイとその母のハルナに出会います。
「パニ美ちゃんのママですか? 仲良くさせてもらっているユイの母です〜」
パニ美に友だちができたようでひと安心! 少し話し、2人は連絡先を交換しました。
これからは仕事のほかに、ママ友との付き合いも頑張らなくちゃと思った矢先のこと、パニ子は早速厄介な事態に巻き込まれることになったのです。
「プロの癖にセコイわよ!」捨て台詞に唖然
「そういえば、パニ子さんて看護師さんでしたよね? 旦那さんから聞いてますよ!」
どうやら夫のタクマが話したようで、ハルナは私の職業を知っていました。
看護師をしていると、何かと頼りにされがちなので少し憂うつな気持ちになったパニ子。返事に躊躇していましたが、ハルナは気にせず続けます。
「夫と2人で旅行に行きたいから、うちの子預かってくれない? 看護師なら何かあっても安心してお願いできるわ〜」
あまりに図々しい申し出に呆気に取られたパニ子でしたが、人様の子どもを預かるのは重大なこと。ましてや仕事もあるので丁重にお断りをしました。
しかしハルナは諦めません。
「ユイは丈夫な子だし、我がままも言わないいい子よ! 適当にごはんだけ食べさせてくれればいいから〜お願い!」
「そういう問題ではなくて、うちは託児所じゃないですし、ご両親や親戚に頼んでみてはどうですか?」
「何よ! ケチ! プロの癖にセコイわよ!」
ハルナは捨て台詞を残し、去っていきました。
看護師だと知られるといろいろと相談をされることはありますが、まさか託児を頼まれるとは……。
「お前冷たいな!」え!? 私が悪いの?
家に帰っても腹の虫は治まらず、パニ子はタクマに愚痴を言いました。
「託児を頼むなんて信じられない!! 看護師を何だと思ってるのよ!」
賛同してくれると思って疑わなかったパニ子。
しかしタクマは冷めた目で見つめ、こう言いました。
「お前冷たいな。ちょっとぐらいなら、面倒見てあげればいいじゃん」
「断った私が悪いの?」
「だってパニ子は子どもの世話に慣れてるだろ? だったら楽勝だろ。世の中持ちつ持たれつだと思うけどね」
「じゃあ私は看護師だから預かれるとして、ハルナさんはパニ美を預かってはくれないよね? それって不公平じゃない」
「そんなに怒るなよ! お前、意外とケチだなw」
タクマに相談しなければよかった!
パニ子は後悔し、ますますイライラが募るのでした。
子どもを預けたかった理由
タクマの反応にモヤモヤしていたパニ子。数日後、ひょんなことからその理由が明らかになったのです。
それは保育園のお迎えのとき、保育園の先生から告げられたのです。
「そういえば先週末の日曜日、映画館でパパさん見かけましたよ〜! 2人で映画なんてラブラブですね♡」
先生が言うには、タクマが女性と2人で映画をみているのを目撃したとのこと。
しかし先週末の日曜日、タクマはゴルフに行っていて留守。もちろんパニ子も映画館には行っていません。
しかも帰ってきたのは深夜だったはず。パニ子はすぐさま興信所にタクマの身辺調査を依頼しました。
調査結果を見て、パニ子は言葉を失います。
結果は完全にクロ! 相手はまさかのハルナだったのです。
どうやらタクマとハルナは、パニ子に子どもを預けて不倫旅行に出かけようとしていたのです。
子どもを押し付け旅行に行った不倫カップルの末路
グルになってパニ子を利用しようとするんなんて、許せません! パニ子は2人に復讐するための準備を進めることにしました。
その作戦とは、ユイを預かるというもの。ハルナはルンルンしながら旅行に出かけました。
もちろん旅行の相手はタクマです。
パニ子は母にパニ美とユイを預け、2人の旅行先に突撃! 不倫旅行の現場を押さえることに成功しました。
保育園の送り迎えをきっかけに出会い、意気投合したという2人。パニ子に預け旅行に行こうと提案したのはまさかのタクマでした。
パニ子に不倫の証拠を押さえられた2人。おかしいことに、どちらから声をかけたのかをなすりつけ合う始末。そのまま大喧嘩になる2人を置いて、パニ子はパニ美の元に帰るのでした。
妻に不倫相手の子どもを預け、旅行に出かけた夫。「冷たい」「ケチだ」と言ったのにも合点がいきますね。妻に不倫旅行の手伝いをさせようとするなんて言語道断です。夫と浮気相手にはしっかりと償ってほしいですね。