球技大会で悲劇
当時高校生の私。学校で球技大会がおこなわれる日の朝、目を覚ますと生理がきていました。家を出るギリギリの時間に起きてしまってバッタバタの中、急いでナプキンを装着して学校へ。私はそこまで生理痛はひどくないほうなので、球技大会中は生理のことを忘れ、全力でキックベースを楽しみました。そして大会終了後、同じクラスだった彼の家に遊びに行く約束をしていたため、お邪魔することに。
そこでトイレに行きたくなると同時に生理のことを思い出し、トイレでうしろを確認すると……。
薄い水色のズボンに、誰が見てもわかるほどの量の経血が漏れていたのです。全力でキックベースをしてナプキンがずれてしまっていたようでした。さすがにこのまま過ごすことはできないと思い、私はトイレを出たらすぐ帰ることに。「終わった……絶対に彼にも気づかれてたよね……」と絶望。案の定、それから彼が冷たい態度になり、まもなく別れを告げられました。
短大時代、彼の車で再び…
当時私は短大生、彼は社会人。彼は学校帰りに車で迎えにきてくれるときがあって、私たちはよく公園の駐車場などに車を停め、日が暮れるまでおしゃべりしていました。その日は生理がきていたのに、話すことに夢中になっていたせいでナプキン交換を忘れていて……思い出したころには、もう経血が漏れていたのです。
彼の車の助手席に経血がついてしまい、私はすぐに彼に謝り、掃除を申し出ました。
「終わった……この人も私から去ってしまうんだ……」と、私は再び絶望。
ところが、彼は「体調大丈夫? 椅子のことは気にしないでね!」と言ってくれたのです。後日、彼が車で私を迎えにきてくれたときには、助手席はきれいになっていました。経血漏れを非難することなく、温かい言葉をかけてくれた彼には「こんなにやさしい人がいるんだ……」と感動したことを覚えています。
ちなみに、そのときの彼が、今の夫です。
学内実習中に経血漏れ
そのころ、医療系の短大に通っていた私は、毎日のように実習がありました。
ある日、ひとつの椅子が準備され、1人ひとり順番に椅子に座って実技をおこなうテストがあったのですが、そのタイミングで私はまたもや経血漏れをしてしまい……。椅子に経血がついてしまい、他の実習生たちに生理だとバレて最悪でした。
ある友人が「椅子は大丈夫だからトイレに行っておいで!」と声をかけてくれ、担任の先生も気を利かせて替えの実習着やナプキンを用意してくださって、本当に助けられたのを今でも覚えています。
10年以上経った今でも、そのとき助けてくれた友人とは定期的に会う仲です。
高校時代で初めて経血漏れを経験した私。大好きな人に嫌われて別れを告げられたときには、「経血漏れは絶対に人前でしてはいけない恥ずかしいもの」という認識が私の中に芽生えました。しかし、短大時代に再び経血漏れをしてしまったときには、心配してくれたり助けてくれたりする人もいて……。今思うと生理現象ですし、どれだけ対策ができていても漏れてしまうこともあるので、経血漏れをしたからといって馬鹿にされたり嫌われたりする理由にはならないと思いました。
私も、夫や友人、先生がしてくれたように、経血漏れで困っている方がいたら手を差し伸べたいです。
著者/石川 えみこ
作画/おみき
監修/助産師 松田玲子
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