本人に悪気はまったくないため、何度注意したり、怒ったりしても響かず、妻は頭を抱えていました。「私のほうが折れるしかないよね」と、半ば諦めていた数年後、息子が誕生します。
夫は息子の誕生に大喜び。わが子の世話に励み、産後の妻をいたわりました。そんな夫の姿に、「困ったこともあるけど、やさしくていい夫なんだよね」と、子どもが生まれたことで、夫の“いいところ”を再認識していました。
しかしある日、夫とスーパーへ出かけると、買うつもりのないウインナーを、いくつも試食している夫の姿が……。仕方なくウインナーを購入し、夫に注意すると、「ひとり何個とか書いてあるわけじゃないし別にいいだろ。子どものころから親に、『試食はタダだからどんどん食え』って言われてたしさ」と、あっけらかんと答える夫。
妻はげんなりしながら、義実家での食事の様子を思い出し……。
まさか!?子ども用のお菓子が…
うかつに食べ物を置いておこうものなら、こっちの目を盗んで勝手に食べてしまう夫……。
せめて「食べていい?」とひと言でもあれば、感じ方も違うはず。しかし、お菓子のことでカリカリするのが嫌な妻は、「仕方ない」と諦めるのでした。
食いしん坊の夫とは対照的に、もうすぐ1歳になる息子は食が細く、なかなか離乳食が進みませんでした。
「栄養が足りなくなってしまうのでは?」と心配な妻は、補食としておやつをあげていました。
妻は、夫の実家は大皿に盛られた料理を、それぞれが取り分けて食べるスタイルだったことを思い出していました。
「男兄弟だから食いものは奪い合いでさ〜」
そのときは「ふ〜ん」程度に思っていた妻。
「この、食べ物への執着って幼少期から培われたのかも……。いっぱい食べるのはいいことって価値観なんだよね」
心の中で納得する妻ですが、「息子にこうなってもらっちゃ困る!」という気持ちで、根気よく注意することに。
しかし、夫の食に対する自分勝手な行動は直ることはなく、隠しておいたお菓子も盗み食い……。
お菓子のことでイライラするのが嫌だった妻は、「仕方ない……」と諦めていました。
一方、息子は夫とは対照的に食が細く、なかなか離乳食が進んでいませんでした。補食としてあげていたお菓子。ある日、妻が買ったばかりのお菓子に手を伸ばすと、封が開いていたのです。
「まさか、赤ちゃん用のおやつに手を出したの!?」
妻は衝撃のあまり、絶句してしまうのでした。
子どものお菓子にまで手を出した夫。離乳食を進めている親にとって、「なんでもいいから食べてー!」と必死になるのは、よくあることではないでしょうか。そんな妻の気持ちを考えず、子どもの用のお菓子を食べてしまうのは、怒りすら覚えます……。
皆さんは、わが子のために準備していたものが、他の家族に使われてしまった、食べられてしまったなど、思わぬ形でリセットされてしまった苦い経験はありますか?