ある日、夫とスーパーへ出かけると、買うつもりのないウインナーを、いくつも試食している夫の姿が……。夫に注意すると、「ひとり何個とか書いてあるわけじゃないし別にいいだろ。子どものころから親に、『試食はタダだからどんどん食え』って言われてたしさ」と、あっけらかんと答える夫。
夫の実家では、大皿に盛られた料理をそれぞれが取り分けて食べるスタイルで、「男兄弟だから、食べ物は奪い合いだった」と話していたことを思い出しました。「食べ物への執着は幼少期から培われたもの」と納得する妻ですが、「息子にこうなられちゃ困る!」という気持ちで、根気よく注意しようと心に決めます。
一方、息子は夫とは対照的に食が細く、離乳食の補食としてお菓子をあげていました。いつものように息子が好きなお菓子をあげようと、買ったばかりのお菓子に手を伸ばすと、封が開いていたのです。
「まさか、赤ちゃん用のおやつに手を出したの!?」。衝撃のあまり言葉を失った妻は……。
“話が通じない”とはこういうこと…!?
仕事から帰った夫に話を切り出す妻。
「子どものおやつにまで手を出すなんて許せない」
怒りに震える妻は、夫にガツンと言おうと決意。仕事から帰った夫に、「これ、息子にかってきたおやつ……なんであなたが食べてるの?」と、話を切り出しました。
「え? だって腹減ってたからさ。ちゃんと残しといたじゃん」
けろっとした様子の夫に妻の語気も荒くなります。
「残せばいいってもんじゃないでしょ! なんでわざわざ子どものもの食べちゃうの!? 息子は赤ちゃん用のものしか食べられないんだよ?」
「しょうがないだろ。うまそうだったから食っちゃったんだ。子どものものとか意識してないし。なくなったら買えばいいだろ。たかが食いものでそんなに騒がなくても……」
夫の言い訳に目が点になる妻。そして、「私だってこんなくだらないことで怒りたくない!」と怒り心頭。今までのことについても夫を咎め……。
「あなた以外の家族がいるのに、お構いなしでなんでも食べる……まわりへの配慮ができないことを怒ってるの!!」
妻はたまりにたまった不満が爆発するのでした。
「たかが食いものでそんなに騒がなくても……」夫のひと言で、我慢の限界を迎えた妻。「まわりへの配慮ができていないことに怒っている」という言葉に、妻の気持ちが詰まっているように思います。そして、せめて「これ食べていい?」とひと言あれば、妻がこんなにも苦しい思いをすることはなかったのではないでしょうか。
家族であっても“まわりへの配慮”はとても大切。家族にはつい甘えがちですが、互いに気持ちよく生活できるよう、配慮や思いやりを忘れないでいたいですね。