パニ子は、大手メーカーで商品開発部に所属している30歳の会社員。夫・タイチとは仕事で出会い、優しさと真面目さに惹かれて2年前に結婚。仕事が充実している反面、すれ違いの日々が続いています。
そんな中、ずっと行けていなかった新婚旅行を計画することに。久しぶりに夫婦でのんびりとした時間を過ごせると思っていたのですが……。
新婚旅行に義父母を誘った夫
タイチと一緒に義両親の家を訪ねたときのこと。「そういえば、新婚旅行とか行かないの?」と義母が聞いてきました。ちょうど新婚旅行を計画中だったパニ子は、「もうすぐ行くんです」と言おうとしたところ、「あ、そのことなんだけどさ、父さんと母さんも一緒に行かないか?」とタイチが言い出しました。
「さすがにそれは、パニ子さんに悪いわ」と義両親は遠慮していましたが、「新婚旅行兼、家族旅行ってことでいいじゃないか!」とタイチ。義両親はパニ子の意見を尊重すると言いつつも、期待に満ちた眼差しでパニ子を見つめてきます。パニ子は頷くことしかできません。
義父母と新婚旅行!? 費用は全額夫持ち
さらに「行き先は、京都の高級旅館にしたから」と、タイチはなんと勝手に場所まで指定してきたのです。行き先くらいは、パニ子も一緒に選びたかったところ。しかしタイチは「親孝行をしたい」と語り、「今回の旅行にかかる費用は、全部俺が出すから心配しなくても大丈夫!」と言います。
この提案に義両親は大喜び! しかし、パニ子の給料で生活している現状のため、不安しかありません。
その後、タイチが予約したのは、なんと4人1部屋。妻と新婚旅行を楽しむことよりも、自分の親孝行のことしか考えていないタイチに幻滅。パニ子はとても気持ちが重くなりました。
豪遊する義父母と夫……妻の正直な気持ち
「父さん母さん、お金のことは気にしないで、何でも好きなことやっていいから!」とタイチが言うと、義両親は大喜び! 3人は観光地を巡り、部屋には舞妓さんを呼び寄せ終始散財。豪華な料理や遊びを満喫する3人とは異なり、モヤモヤした気持ちのパニ子は「離婚」という選択肢が頭をよぎるようになりました。
そして最終日、旅館からチェックアウトする準備を始めていると、女将さんが請求書を持って部屋に来ました。
請求額は500万円!? 夫の反応、妻の決断
請求書には500万円の文字が! 慌てたタイチは、「ぱ、パニ子……ここは払ってくれない?」と懇願してきました。
「全額俺持ちって言ったよね? 義父母同室の新婚旅行なんて聞いたことないわ! こんな非常識な人だと思わなかった」と伝え、離婚を宣言。タイチや彼の両親との関係を絶つと言い残し、一人で旅館を去りました。
結局、足りなかったお金は、近くの金融業者から慌てて借りて3人で借金して払ったそう。そしてタイチはひとりでは生活ができず、会社を辞めて実家に戻ることになり、3人で借金返済に苦しんでいるそうです。
一方、パニ子は離婚後、貯金と慰謝料を使って念願の海外旅行へ! これまで頑張ってきた分、ひとりで贅沢を楽しんでいます。
いくら親孝行のためでも、妻の気持ちを確認せずに強引に進めてはいけませんね。家族だからと言って、お互いが気持ちを理解しているとは限りません。妻の気持ちを無視して行動した夫にとって、自業自得の結果となりました。