33歳のパニ子は、とある大きな企業で会社員をしています。
在宅ワーカーの夫のリクとふたりで暮らしており、忙しくも充実した毎日を送っていますが、そんなパニ子を悩ませる人物が……。
金を無心する義妹
ある日、仕事を終えて自宅に向かうパニ子のスマホに着信が入ります。
パニ子がアプリを起動したままスマホを鞄に入れていた際、誤作動で変なメッセージを送っていたことを、親友のアカリが電話で教えてくれました。
謝りつつも、相手がアカリでよかったと思うパニ子。
実はパニ子は、リクの妹のハルカから金を無心する連絡が頻繁にくることに頭を悩ませているのです。
最初にやんわり断ったパニ子でしたが、その後もハルカからの連絡は続きます。
ただ、無視していれば他に迷惑をかけてくることもなかったので、パニ子はリクにそのことを伝えて放っておくことに。
そんなパ二子の話を聞いて、「面倒かけて悪いなぁ」と言っていたリクでしたが……。
共有財産を何の相談もなく…
とある月末に、パニ子が銀行に行ったときのこと。
夫婦の共有の通帳から50万円も引き出されていたことが判明しました。
すぐにリクに電話をかけると、彼は「俺が引き出して、ハルカに渡したんだ」と言いました。
口座に入っていたのはほとんどパニ子の給料から貯金した金であり、額も額です。
パニ子が義両親にこのことを伝えると、義両親はハルカとリクを叱り、ハルカの代わりにパニ子に50万円を返してくれました。
そして、今回のようなことがないように、パニ子は夫婦の口座から金を簡単に引き出せないようにします。
それ以来、リクとは険悪な仲になってしまいました。
しばらくして、パニ子は2週間の出張に行くことに。
しかし、予定より出張が早く終わり、パニ子は4日早く帰宅することになります。
それをリクに伝えるのも面倒だったのでそのまま帰宅してくつろいでいると、アカリから着信が入ります。
電話でアカリと話していると、インターホンが鳴りました。
アカリに後で折り返すと言って、玄関に向かうパニ子。
ドアを開けると、そこには警察官の姿がありました。
親友のおかげで大逆転!
「あなたを、不法侵入で逮捕します!」
警察官は逮捕状をパニ子に見せてそう言い、彼女を責め続けます。
そのとき、アカリが走ってきました。
パニ子が電話を切り忘れていたため、心配になって駆けつけてくれたのです。
実はアカリの職業は警察官で、しかも警視正!
彼女の警察手帳を見せると、警察官は顔を真っ青にしました。
アカリは、逮捕状が偽物だと見抜き、パニ子への暴言も録音したと伝えます。
その瞬間、警察官は謝罪を始めました。
ケンジというその警察官はハルカの彼氏で、彼女に命令されて今回のことをしたそうです。
ハルカは両親から金を盗み、家を追い出されていました。
最初はケンジのアパートに泊まっていましたが、彼が家賃を滞納していたためそこも追い出されます。
ハルカにお願いされたリクは、パニ子名義のこの家にふたりを泊めていたそうです。
しかしパニ子が予定より早く帰ってきたので、ハルカはパニ子を追い出してこの家にとどまろうとしたのでした。
話を聞いているうちにリクも帰宅し、リク、ハルカ、ケンジは責任の押し付け合いに。
その隙に、パニ子は義両親に電話をかけます。
義両親はリクとハルカを連れていき、アカリもケンジを引きずっていきました。
その後、パニ子はリクと離婚し、多額の慰謝料を手にします。
家と土地を売って、賃貸マンションで一人暮らしを始めたパニ子。
2人分の家事から解放され、落ち着いた日々を送るのでした。
共有財産や家を許可なく貸しては、夫婦の信頼関係さえも崩れてしまうことを肝に銘じたいですね。