パニ子は夫のワタルと9歳の娘・パニ美の3人暮らし。産休と育休を挟んで共働きをしながら家族で暮らしています。しかしある日、ワタルの職場が倒産! それを機に、ワタルは変わってしまいました。
これじゃヒモと同じ!? 働かない夫
未だに仕事が見つからないワタル。パニ子が仕事を終えて帰宅すると、いつもワタルはテレビを見ながらゴロゴロしています。朝の洗い物も洗濯物もそのまま。夕飯が作られていたためしはありません。
無職になったときは、「仕事が決まるまで家事は全部やる!」と言っていたのに、3日も持たずこの有様です。
最近は「仕事を探しに行く」と頻繁に家を空けるようになったのですが、明らかに職安がやっている時間ではありません。どこで何をしているのやら……。
パニ子は仕事を探さなければ家事もしないワタルに呆れてしまいます。
「最近ワタルと家族でいる意味がわからなくなるときがある。離婚が嫌なら、職探しか家事をちゃんとやって!」と言い、ハッパをかけました。
夫が連れて帰ってきたのは……
「今日公園でミヨちゃんを見たんだけど……」
ミヨはパニ子の妹のこと。常識知らずなミヨに付き合いきれず、ここ最近は疎遠になっていました。
近くの公園でミヨを見たと話すパニ美。何か言いたそうにしていたので詳しく話を聞こうとしましたが、そのタイミングでワタルが帰ってきました。
リビングのドアを開けて部屋に入ってくるワタルを見ると、後ろにピタッとミヨがくっついています。
「今度こそお姉ちゃんの旦那貰うね♡」とミヨ。
なんとワタルはパニ子に離婚届を突きつけてきたのです。
「お前に離婚って言われてよく考えたんだけど……お前、家事やれだの職探ししろだのうるさいし。もうダメだなと思ったときにミヨちゃんのことを思い出して連絡取ったんだ。そういうことだから、すぐに出て行ってくれ」
パニ子がミヨと距離を取ったのは、まさにワタルが原因でした。ミヨは姉の夫であることなんてお構いなし。ワタルに猛アタックをするので距離を置いていたのです。
「ミヨちゃん、今も俺が好きで結婚したいって! 俺は家事も仕事もしなくていいって。パニ子とは違うよな〜」
両親のいざこざをこれ以上パニ美に見せたくないと思ったパニ子は、離婚届を書き、家を出ていきました。パニ美を傷つけてしまったと悲しむパニ子でしたが、それに反してパニ美はにっこり笑っていました。
ヒモ夫と妹の自滅
パニ子が家を出てすぐ、離婚届を出したワタル。しかし、数カ月後のとある日曜日、ワタルはパニ子に電話をかけてきます。
「パニ子! ミヨちゃんが…ミヨちゃんが会社をリストラされちゃったんだよぉぉお! 俺たち暮らしていけないよ」
パニ子の睨んだ通りになった2人。実はパニ美は公園で必死に謝るミヨを見ていたのでした。パニ美によると「クビだけは勘弁してください」と何度も言っていたと聞いたので、きっとリストラも時間の問題だろうと思っていたのでした。
「ミヨちゃん、養育費も慰謝料も全部自分で払うから、お前と別れて私と入籍してって言ってきたんだぞ!? 俺は騙された被害者だ!」
ワタルが何を言ってもパニ子はやり直す気はありません。
「養育費と慰謝料は、きっちり支払ってもらいます! もちろん弁護士にお願いして、ミヨにも慰謝料を請求するからよろしく言っておいてね!」
人のお金に依存することを覚えてしまった夫。まだ先の長い人生。考えを改めて、親としての責任を果たしてほしいですね。