入籍を機に同居スタート
同棲期間がなく、入籍を機に同居を始めた私たち夫婦。いきなりの同居に多少の不安はあったものの、それまでお互いにひとり暮らしをしていたこともあって、家事の分担などが苦になることもなく、わりとスムーズに新婚生活を始めることができました。
お互いの生活習慣の違いに若干の戸惑いを感じることもありましたが、許容範囲内のものでした。
なんか長い。いや、長すぎない?
夫と生活を共にして1年が過ぎたころです。ある日、ふと夫のトイレがやけに長いことに気がつきました。
出先で混んでいたとか、おなかの調子が悪いだとか、ついでに掃除をしていたとか、場合によってはトイレに入っている時間が長くなることもあるでしょう。けれども、夫は毎回10分程度、トイレに時間を要しているのです。トイレの中でスマホでも見て夢中になっているのかな?とも思いましたが、スマホを持って行く様子はなく、むしろ部屋に必ず置いていくのです。
夫がトイレの中でしていたことは?
それにしても、長い、長すぎる。ある日、私が冗談めかして「いつもトイレ長いけど何してるの~?」と夫に尋ねてみると、夫自身はトイレにかかる時間が長いとは思っていないようで、「え? 長くないよ、普通でしょ」と言うのです。夫の回答を聞いた私は驚き、「え、でも私はもっと早く終わるよ?」と、ポロッと本音をこぼしてしまいました。
すると、夫の口から「そりゃそうでしょ! 男は全部脱ぐんだから! 女性はスカートだからでしょ」と、衝撃的な発言が飛び出したのです!「え? 全部って……ズボンも下着も脱ぐってこと?」と、思わず説明を求めずにはいられませんでした。
その後の夫の話によると、「男性がトイレに入って用を足すときはズボンも下着も靴下も脱ぐのが普通」とのこと。夫の意見にはツッコミどころが満載でしたが、トイレに行くたびに服を脱いでいたのならそりゃあ時間かかるよねと納得しました。
後日にわかったことですが、どうやら、夫がまだ幼児だったとき、座ってトイレができるようになるよう、お義母さんと一緒にトイレトレーニングをしたそうです。その際にお義母さんから「汚しちゃうといけないからおむつとか全部脱いでからしようね」という声かけがあり、夫はその言葉が頭に残っていて、「個室のトイレを使うときは、洋服も靴下もすべて脱いでから用を足すのが当たり前」と、大人になってもずっと思い込んでいたよう。私が「え……全部脱ぐ必要ないでしょ」と冷静に指摘すると、夫も「確かによく考えると変かもしれない」と思い直したようでした。
お義母さんも「まさか、個室の中でそうしているとは知らなかった」と大笑い。それからは数日もかからず、夫は全部脱がずにトイレで用を足すようになったようです。他人同士だったら絶対に気がつかない習慣に驚きつつも、幼少期の思い込みをそのまま20数年続けていた夫が愛おしくもありました。
著者/天木 みみ
作画/ちゃこ
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