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「生きていけるのだろうか」亭主関白で何もしない夫。私がいなくなったときのことを考えた結果

私と夫は、結婚して40年たとうとしている熟年夫婦です。夫はまさに昭和の男という感じで、結婚してからはもちろん亭主関白。家事はもちろんのこと、4人の子どもの育児すらもまったくしてきませんでした。私たちももう若くはありません。「もし私が先に……」と考えると、不安で仕方がないのでした。

 

夫は亭主関白

私の夫は、絵に描いたような亭主関白です。「男は外で稼ぐことを頑張り、女は家を守るべき」という考え方。

 

ごはんを作っても最初に箸をつけるのは夫で、お風呂に一番に入るのも夫。妻は夫の3歩後ろを歩くなど。私たちの世代だと珍しいことではありませんでした。

 

夫は年老いていくにつれて口数が少なくなり、頑固じいさんのようになっていきます。結婚したころは、亭主関白な姿に男らしさを感じて夫にぞっこんな私でしたが、最近は頑固さに拍車がかかり、ちょっとしたことで文句を言ってくるように。

 

夫のことは愛していますが、自分は何もしないのに私の行動に文句を言ってくることにはストレスを感じていました。

 

しかし、結婚生活は40年がたとうとしており、夫を立てることが体に染みこんでいた私は「頑固じいさんみたいで、なんだか嫌だな」と思いつつも、これまで通りの生活を送っていました。

 

もしも私が先に…

新聞とメガネのイメージ

 

頑固な夫の言動にモヤモヤする日々を送っていましたが、私たちはもう70歳手前。体の不調も増えてきました。

 

私が先に旅立ってしまったら、果たして夫はひとりで生きていけるのでしょうか……。

 

私たちは4人の娘に恵まれましたが、全員遠方に嫁いでしまい、今は夫と2人きりの生活。亭主関白の夫は、若いころから家事も育児も家のことは何もしてきませんでした。自炊はもちろんのこと、自分のシャツや靴下がどこにあるのかすらわかっていません。

 

「もし私が病気にでもなったりしたら」と考えると、心配でたまらなくなりました。まだ病気にもなっていないし、ただの考え過ぎなのかもしれませんが、いつかは直面することなので娘たちに相談することに。

 

娘たちにも嫁いで行った先の家族があります。できるだけ迷惑はかけたくありませんし、私たち夫婦も健康でいたいとは考えています。

 

ただ、もしものことがあった場合に備えて「月に何回かだけでも帰ってこられる状況なのか」「介護が必要になった場合は施設に入れてほしい」などの話を娘たちとそれぞれ話をしました。

 

娘たちは口をそろえて「お父さんとお母さん、どっちかだけでも何かあったらすぐ駆けつけるよ」と言ってくれました。

 

この言葉を聞けただけでも安心しましたが、やはり夫に少しでも自分の身の回りのことをできるようになってほしい……。そう思った私は、夫にも相談してみることに。

 

 

何を言っても夫は黙ったまま

縁側と洗濯物のイメージ

 

夫に「もし私がいなくなったときのことを考えると心配で……」と、思っていることを伝えました。私が一生懸命伝えている間、夫は黙っていました。

 

そして「少しずつでいいから自分のことをしてみない?」と私は言いました。しかし、夫からは返事がありません。何か考えてくれているのか、それともただ気に入らないのか……。ずっと黙っているので、夫が何を考えているのかわかりません。

 

しかし、ここで折れてはいけないと思った私は「じゃあ早速だけど、一緒に洗濯物を取り込みませんか? あなたの分だけでいいので」とわざと明るく提案しました。

 

私は洗濯物が干してある庭に出ました。それでも夫は動きません。「あぁ、やっぱりだめだったか……」と思っていたら、少しして仏頂面で庭にノソノソと出てきたのです!

 

洗濯物を自分の分だけ取り込んで、縁側で畳みだした夫の姿に驚きを隠せなかった私。そして夫に気持ちが通じた安堵からなのか自分でもわからなかったのですが、なぜか涙が止まりませんでした。

 

夫は終始無口でしたが、その日から時々自分の洗濯物を取り込んで畳んでくれるようになりました。

 

交通事故に遭い、足を骨折した私

右足首を骨折したイメージ

 

夫が自分で洗濯をしてくれるようになってから1カ月後。「この調子で次は料理を手伝ってもらおうかな」とルンルンしながら買い物に出かけました。

 

しかしその帰り道、自転車とぶつかってしまい、私は右足首を骨折してしまったのです。

 

すぐに病院を受診し、幸いにも松葉杖を使えば歩くことができました。しかし、今まで通りの生活はできません。

 

ずっと松葉杖をつきながら料理をすることは不可能で、しゃがむこともできないので、生活に大きな支障が出ることが予想されます。病院での診察の合間に夫へ電話し、迎えに来てもらいました。

 

帰りの車の中で「少しの間、家事ができそうにないの。ごめんなさい。娘たちに来てもらえるか聞いてみるから」と話すと、「いや、俺がやるよ」とひと言。

 

亭主関白で「家事は女の仕事」と言っていた夫が、まさか自分が家事をするなんて言うとは思わずびっくり。洗濯は経験があるものの、夫に料理なんてできるはずない……と心配になり「でも」と言い返しますが、夫は遮って「俺がやるって。料理は自信がないが……」と宣言しました。

 

夫の気持ちの変わりようにびっくりして、頭が追いついていきませんでしたが、「じゃあ頼りにしていますね」と笑顔でお願いしました。

 

病院からの帰り道に買い物へ行き、夫がかごを持ち私が横を歩きながら買う物を伝えました。家に帰ってからもキッチンに椅子を持ってきて、私が座りながらレシピを教えてゆっくりと調理。

 

夫が3時間かけて作ってくれたカレーライスの味は、一生忘れることはないでしょう。

 

まとめ

この日から、何をするにも私と夫は一緒にいるように。骨折したことで、今まで以上に一緒にいる時間が増え、夫が新しいことに挑戦する姿を見られるようになりました。

 

今となっては、あのとき夫がすんなり洗濯物をし始めてくれてよかったと思うばかりです。夫の中でどんな気持ちの変化があったのかはわかりませんが、私が骨折したタイミングで家事を積極的にしてくれるようになり、うれしく思っています。「この人には無理かも」と思い込んでいましたが、思い切って声をかけてみてよかったです。「この人はこうだから!」と勝手に決めつけず、勇気を出して話してみることも必要なのだと感じた出来事でした。

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

取材・文/もちだひのっしー

イラスト/サトウユカ

 

 

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著者:もちだひのっしー

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