同じ幼稚園のママが子どもの世話を押し付ける
私が娘を幼稚園へ迎えに行ったときのこと。
「A太〜! 迎えに来たわよ〜」とA太くんのママが、私の横にやってきました。あまり話したことのないママでしたが、あいさつを交わして私は幼稚園を後に。
数日後の日曜、娘と一緒にマンション前の公園で遊んでいると、A太くん親子が近づいてきました。
あいさつを交わすと、A太くんママは「このあたりでよく遊んでるの?」と聞いてきました。
「そうですね、日曜はよくここで遊ばせてます」と答えると、「ちょうどよかった! 私、ちょっと急用ができちゃって、うちの子もここで一緒に遊ばせてくれる?」と、まさかのお願いが。
驚いて断る理由を考えている間に、A太くんママは「ほら、一緒に遊んできなさい!」と笑顔でA太くんを私たちのほうへ送り出します。
戸惑ったものの、娘もA太くんと一緒に遊べてうれしそう……。そこで「1時間程度なら」と伝え、少しの間、A太くんを見ることを承諾。連絡先を交換することに。
すると、A太くんママは「ありがとう! 助かる〜♪ あっ、彼から電話だ! もしもーし♡」と、彼氏と思われる人物からの電話に出ながら公園から立ち去ったのでした。
しかしその後、約束の1時間が過ぎてもA太くんママは戻らず、電話にも出てくれません。
困った私でしたが、A太くんママは近所のクリーニング店の娘で、実家暮らしをしているとママ友から聞いていたので、お店までA太くんを送り届けたのでした。
不倫を公言する女と夫のスケジュールが同じ!?
翌日、幼稚園へ娘をお迎えに行くと、
「あなたのせいで、親にめちゃくちゃ怒られたのよ!? デートもドタキャンしちゃったし! せっかく◯◯ホテルのレストランで食事する予定だったのに!」
と、A太くんママが怒鳴ってきました。
A太くんママはシングルマザーで、A太くんのパパになる人を探すためデートを重ねており、最近ようやく大企業に勤務する彼をゲットしたそう。
どうやら昨日言っていた“急用”とは、その彼とのデートだったようです。
ところが彼には妻子がいるらしく、「1日も早く彼を略奪しないといけないの!」と興奮気味に語るA太くんママに、私は言葉を失いました。
A太くんママのことをサイテーな女だと思いつつ、ふと思い出したことが。
そういえば、夫が昨日「○○ホテルのレストランで取引先と会食の予定だったけど、先方の都合でドタキャンされた」と言っていたような……。
レストランの場所が偶然同じだっただけかもしれませんが、まさか……と心がざわつき、A太くんママにデート相手の名前を確認。夫の名前ではなかったので、ひとまず安心しました。その夜、念のため夫のスマホを見ましたが、怪しいメールや画像は見つかりませんでした。
しかしその後、夫の態度がなんとなくよそよそしく感じ、妙に外出が増えたことも気になって、私は探偵に調査を依頼することにしたのです。
待ち合わせ場所のカフェへ行くと…
数週間後、探偵から「次の日曜、駅前のカフェで待ち合わせしているようです」と報告が入りました。
私は意を決して、そのカフェへ向かうことにしたのです。
私がいることに驚くA太くんママ。そしてドアのほうから「お待たせ〜」と聞き慣れた声が……。私の姿を見ると、夫は顔面蒼白に。
私は彼が自分の夫であることA太くんママに話しますが、「せっかく大企業に勤めているお金持ちをゲットしたんだから別れない!」と話にならず……。
ただ、不倫の証拠は探偵事務所にお願いしてバッチリ押さえています。
「離婚よ! もちろん、慰謝料と養育費は請求するから! あと、お義父さんにもこのことは伝えておいた。かなり激怒してたわよ。昇進は取り消しだって!」
私が離婚届を突きつけると、夫は号泣。一方のA太くんママは、降格になった上に慰謝料と養育費の支払いを抱えた男はいらないとあっさり。もちろんA太くんママも慰謝料を払うことになりますが……。
その後、夫はしばらく離婚を渋っていましたが、義父からも厳しく叱責され、最終的には観念して離婚届にサイン。養育費や慰謝料の支払いもあり、生活は苦しいようです。
A太くんママのほうは両親の監視のもと、今のところ真面目に働いているとう噂を聞きました。
私はというと、義父の紹介で働き始めた会社での仕事が充実しており、娘との生活にも少しずつ笑顔が戻ってきました。
今は、誰かに振り回されない、自分らしい幸せを大切にしています。
◇ ◇ ◇
相手の都合も考えず、突然子どものお世話を押し付けるなんて、A太くんママの行動は非常識と言わざるを得ません。
周囲や子どもを巻き込み迷惑をかけるような恋愛では、結局誰も幸せにはなれないということを、改めて考えさせられますね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。