義母の嫌みにまさかの反応
ある週末、義妹夫婦が私たちの暮らす義実家にやって来ました。ちょうど昼時だったこともあり、「わざわざ昼食を狙って来たのね」と嫌みっぽく言う義母。
私は「そういう言い方しなくても……」と内心思っていたのですが、義妹は「わぁ、お義母さん、楽しみにしてくださってたんですね!」と満面の笑み。義母も返す言葉が見つからず、少し戸惑っていました。
その後、義母の手料理を囲んで和やかに食事を終えると、義母が「掃除くらい、ちゃんとできるようにならないと」と前置きしながら、昔の苦労話を交えて床の拭き方や窓の磨き方を熱心に語り始めました。
「私が嫁いできたときには掃除機もなくて、雑巾で家中を磨いてたのよ。あなたはラクでいいわね〜」と話す義母に、義妹は「本当にすごいです! 尊敬します!」とキラキラした目で応じていました。
義母の“嫁としての説教”は、完全に昔話として受け取られてしまったようでした。
義妹の“励まし”に義母が沈黙
さらにその日、義妹が旅行のお土産を持ってきてくれたのですが、それを見た義母がまた嫌みモードに。
「私なんて嫁いでから旅行なんて行ったことないわよ。嫁が家を空けるなんて、ありえないでしょ」とピシャリ。ついには「遊んでいないで、さっさと子ども作りなさいよ」などと口にし始めたのです。
私はさすがに黙っていられず、「子どもは夫婦のことなので、周りが急かすものじゃないと思います」と口をはさみました。夫や義弟も「母さん、それは言い過ぎ」と加勢。
その空気の中で、義妹が放った言葉は……。
「お義母さん、寂しかったんですね。でも大丈夫ですよ! これからは私たちと楽しい思い出を一緒に作っていきましょう!」
そして、「今度、私とお義姉さんと娘ちゃんと4人で女子旅に行きませんか?」と笑顔で提案したのです。
義母の態度に変化が!?
義母は一瞬目を丸くしていましたが、夫や義弟が「母さんもたまには息抜きしておいでよ」と後押しし、娘が「行きたい!」とはしゃいだこともあって、義母も「……じゃあ一度だけ」と承諾。
娘が行きたがっていたテーマパークに、義母・義妹・私・娘の4人で1泊旅行へ出かけることになりました。
外泊は久しぶりという義母は最初こそ落ち着かない様子でしたが、テーマパークの雰囲気に次第に顔がほころび、最後には「またみんなで来ましょうね!」と自分から言ってくれるまでに。
その後、義母は趣味の手芸サークルに参加したり、ご近所の体操教室に通うようになったりと、徐々に外の世界へと目を向けるように。
義妹の素直さが、義母の心を少しずつほぐしていったのだと思います。まっすぐな言葉には不思議と力があるのだと実感。義妹の存在が、義母にとっても私たち家族にとっても、前向きな影響をもたらしてくれたのでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。