同窓会の夜、ふと感じた違和感
私は久しぶりの同窓会に出かけることになり、その日は実家に泊まる予定でした。
「夜遅くなると危ないから気をつけて」と、夫からは何度かメールが。心配してくれているのだと思いながらも、なぜかその日は胸がざわついて落ち着きませんでした。
同窓会のあと、幼なじみのA子・B美と3人で場所を変えておしゃべり。私が「子どもの話をすると、夫がずっとはぐらかす」と打ち明けると、2人とも真剣な表情になりました。
「それ、ちゃんと話すべきじゃない?」
「大事な話から目を背けるって、ちょっと不自然だよね」
そんな会話の中で私の不安はますます大きくなり、泊まる予定だった実家をキャンセル。急きょ終電で自宅へ戻ることにしました。
玄関に置かれたヒールの意味
夜中に自宅へ戻ると、室内は真っ暗。夫が寝ているだけだろうと思って玄関を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは見覚えのない女性もののヒールでした。
「まさか……」
心臓の音が急に大きくなるのを感じながら、足音を立てずリビングへ向かうと、ドアの向こうから男女の声が聞こえてきました。
「奥さん、今日帰ってくるなんてことないよね?」
「大丈夫だって! 今ごろ地元の友達と盛り上がってるよ。俺にとってはお前が一番だし、気にすんな」
リビングで談笑する夫と女性。信じたくない気持ちを抑えながら、ドアの隙間からスマホで録画。
2人に声をかけることはせず、私はそのままホテルへ移動しました。
上司の妻と不倫…? 夫の“開き直り”に怒り爆発
翌日、私は興信所に相談し、夫の不倫相手の調査を依頼しました。
そして数日後に返ってきた報告書を見て、私は息をのむことに。夫が関係を持っていたのは、彼の勤め先の同僚の妻。しかも、頻繁にわが家に出入りしていたこともわかったのです。
証拠がそろったタイミングで、私は夫に切り出しました。
「実は同窓会の日、家に帰ってきたんだよね。見ちゃったから、あなたが不倫しているところ……」
夫は黙るかと思いきや、まさかの一言を返してきました。
「いや〜もう、不倫とかどうでもよくない? 多様性の時代なんだからさ。公認にしようよ、むしろ“ハレ婚”(一夫多妻)とかどう?」
焦った夫は、冗談にしてその場を乗り切ろうとしたようですが、ふざけたような笑い混じりの顔を見て、私の気持ちはスーッと冷めていきました。
不倫相手の言い分と、私の決断
その後、夫を使って呼び出した不倫相手とも対面。
「まさか見られていたなんて」と彼女は驚いた様子で、「ごめんなさい。本当に軽い気持ちだった。夫にだけは知られたくないの」と謝ってきました。
既婚者と知りながら、わが家で堂々と不倫するなんて、許せる話ではありません。夫も謝ってきましたが、もう私の気持ちは決まっていました。
その後、離婚はスムーズに成立。夫と不倫相手の両方に慰謝料を請求しました。夫は上司の妻と不倫していたことが会社に知られ、居づらくなって退職したようです。
私はというと、少し時間をかけて心の整理をし、自分の好きなことや人とのつながりを大切にする日々を過ごしています。最近では前向きなご縁もあり、新しい人生を歩み始めています。
夫婦にとって大切なのは、お互いの気持ちをきちんと言葉で伝え合うこと。その基本すら共有できなかった相手とは、早めに決断して正解だったと今は思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。