パニ子は夫・リュウタと結婚し、娘・パニ美を出産。リュウタのたっての希望で仕事を辞め、家事・育児に奮闘しています。それなのにリュウタはパニ子が専業主婦になった途端、態度を変えたのです。
夫の願い「専業主婦になって!」
仕事が好きだったパニ子は、できれば出産後も仕事を続けるつもりでした。しかし龍太は「子どもが大きくなるまでは両親のどちらかが側にいて面倒を見てあげたほうが絶対いい」と主張。「しっかり俺が稼ぐから!」と言うので、専業主婦になることを決意しました。
パニ美が生まれて家族3人の生活が始まっても、リュウタは育児を一切せず、共働きのときは分担していた家事も、すべてパニ子に任されるようになりました。
その上お金に関してはかなり厳しく、どんなに必要なものであってもお金を使ったことをネチネチ責めて、最後は必ず「俺のお金で買ってるってこと忘れないでよね?」と言うのです。
一方リュウタは、飲み会に頻繁に参加し毎回タクシーで帰ってきたり、高いゴルフ用品を揃えたりと、無駄遣いばかり。しかしパニ子が注意すると「稼いでないお前に文句言われる筋合いはない!」の一点張りです。
こんな生活耐えられない!
リュウタから渡される生活費も少しずつ減らされ、パニ子は仕事を辞めたことを深く後悔します。しかしそんなことは言っていられません。少しでも自由に使えるお金を増やそうと、パートに出ることを決めました。
リュウタは頭ごなしに拒否! お金が欲しいのはパニ子のエゴ、保育園に預けられるパニ美がかわいそう、渡している生活費が足りないのはパニ子の努力と工夫が足りないからだと、取り合ってくれませんでした。
もうこんな生活耐えられません! パニ子はある人に頼ることにしました。
夫が逆らえない人物とは…
それから数日後。その日もリュウタの買い物チェックが始まります。「レシートはもう捨てちゃった! 今日買ったのは全部必要なものだから。無駄遣いはしてないわよ」とパニ子は強気です。
「無駄かどうかは俺が決める! 稼いでもない奴が偉そうなこと言うな!」
リュウタがそういった瞬間、部屋の奥からパニ美を抱いた義母が出てきました。
義母には頭があがらないリュウタ。「仕事をしてるほうが偉いって〜?」と言う義母に「だって……お金がないと生きていけないだろ? だから……」とタジタジです。「家庭を支えてるのはパニ子さんも一緒でしょ!! 家事や育児をしてくれているのは誰?!」と説教が止まりませんでした。
「生活費をこれ以上出せないのなら私も働く」「それじゃあパニ美がかわいそう」その繰り返しのパニ子夫婦を見て義母は「リュウタ、あんたが専業主夫になりなさい」と、まさかの提案をしたのです。
こんな夫婦の形もいいね!
「別に男が働かなきゃいけないっていう決まりはないじゃない。それならパニ美ちゃんはかわいそうじゃないし、パニ子さんは自由にお金のやりくりができる。これで丸くおさまるじゃない」義母はそう言ってリュウタを睨みつけました。リュウタはもう何も言えません。
仕事が大好きなパニ子にとって最高の提案です。ちょうど元職場から復職の誘いを受けていて、リュウタ以上の給料も保証されています。
善は急げ。パニ子は復職の手続きをし、リュウタはしぶしぶ仕事を辞め、専業主夫になったのでした。毎日家事に育児でバタバタし、半べそかいているリュウタ。時々やってくる義母に鍛えられ、少しずつ頼れる主夫になっています。
もちろんパニ子も育児に参加し、家事も担当しています。こんな夫婦の形もいいものですね。
夫婦・家族はいわば運命共同体。お金を稼いでいる人が偉いと言うことは決してありません。責任を負っているのも疲れているのも同じ。互いを思いやり、支え合うことが大切なのですね。