30歳のパニ子は3年前に5歳年上のタクミと結婚。今は近所のスーパーでパートとして働いています。パート仲間もできて楽しく仕事をしていますが、ときには変わったお客さんもやってきて……。
スーパーに来店したおかしな客
夕方過ぎのスーパーは、値引き商品を目当てにくるお客さんで混雑します。パニ子が惣菜コーナーで商品に値引きシールを貼っていたところ、40歳くらいの女性がやってきて、「これにも半額シール貼って頂戴よ!」と刺身のパックを差し出しました。
女性が差し出したカゴの中には、刺身のパックが山のように入っています。鮮魚コーナーは閉店間際にタイムセールをするので、「こちらの商品はまだセール対象外です」と丁寧にお断りしました。
すると、「もう1時間も待ってるんだから、さっさとシールを貼ってよ!」とお怒りモード。セール時間まで店内で時間を潰すから、何時からセールか教えてと話します。持ち歩かれると鮮度が落ちるため、一度売り場に戻してほしいとお願いするも、他の人に取られるからイヤだと言って聞きません。
そこに、騒ぎを聞きつけた店長が登場。女性はしばらく店長と押し問答し、商品を返却してから店を出て行きました。店長によると、女性は以前も同じことで騒ぎを起こしたとのこと。店長は気にすることないと言ってくれましたが、見ず知らずの人に罵倒されて気分が落ち込み……、仕事を終えて帰宅したタクミにも愚痴を聞いてもらいました。
高級寿司店で結婚記念日をお祝い
パニ子の愚痴を聞いたタクミ。元気づけようと、来週の結婚記念日においしいものを食べに行こうと提案。パニ子の大好きなお寿司はどうかな?と話し、パニ子のテンションはMAXに。
結婚記念日当日。パニ子は少しおしゃれをして寿司店へ。店内に入ると「へい、いらっしゃい」という大将らしき男性の声が響きます。しかし、パニ子とタクミを品定めするかのようにジロジロと見たかと思ったら、プイッと横を向いてそこから仏頂面に。
「予約しているんですけど…」とタクミが声をかけても大将は無視。どういう事か分かりません。大きい声でもう一度話しかけると、奥から女性が出てきました。
「ウチの店は初めてですよね?最近、口コミを見てくるお客さんが多くて。寿司の食べ方も知らないお客さんが来て迷惑してるんですよ」といきなりの失礼な発言にびっくり。挙句の果てに、「ウチ、結構お値段いいんですけと、お会計払えるかしら??」と言う始末。
パニ子はこのとき、気づきました。この女性はスーパーの値引きシールで揉めた人だーーー!!!相手はパニ子に気づいていません。タクミにこの前のスーパーの女性だとささやくと、「ここは俺に任せておいて」と話します。
するとタクミが、「ここは僕たちみたいな貧乏人の来るところではないんですね〜。今日は記念日なので、貧しい私たちも贅沢したいんですよ。奮発してお金もたくさん持ってきたので、妻においしいお寿司を食べさせてください」と少し嫌味を含んだ言葉を投げかけました。
ちらっと見えたゴミ箱には…
タクミは何かを企んでいるようーー。
タクミの懇願に負け、女性はパニ子とタクミを案内してくれました。席に着いたものの、大将は一向に私たちの注文を聞く様子はなく……。
なので、パニ子の方からマグロをお願いすると、「寿司はね、白身から食べるもんなんだよ」と言いながらマグロの握りがカウンターに。目の前に出された寿司を見て、パニ子は思わず目が点になります。シャリがやたらと大きく、ネタのサイズと全く合っていません。鮮度もいいとは思えず、何を食べてもあまりおいしくない……。
常連さん達が「おいしい!」と言って食べているところを見ると、パニ子たちにだけ別の安いネタを出しているとしか思えず、客によってネタや態度を変えるこの寿司屋に腹が立ってきました。そしてタクミに言われて隅に置かれたゴミ箱を見ると、スーパーの刺身パックの空きトレーが捨てられている……。パニ子たちが食べたのは、見切り品かも!?タクミとこそこそ話していると、大将がギロリと睨んできました。
かっぱ巻きが一番おいしい!!
そこから、かんぴょう巻きとかっぱ巻きを注文。「この店で一番おいしいネタですねー」と大将に話しかけます。それを聞いた大将は、「かっぱ巻きが一番って…wこれだから貧乏人はwww」と見下します。
「私たちが食べたネタってスーパーの見切り品の刺身ですよね?鮮度が落ちたネタなら、かっぱ巻きの方がおいしいですよね」と話しかけると、ギョッとした表情に。
「そう言えばあの店員さん、今日も来て売り場をうろうろしてましたよね?」と女性を見ると、女性は急にあたふたし始めました。大将は「営業妨害だ!濡れ衣だ!」と言いますが、「ゴミ箱から少し出ているプラスチックの空きパックにスーパーの半額シールが貼ってあるはず!」と話すと、周りのお客さんもザワつき始めました。
すると、これまで黙っていたタクミが大将に名刺を差し出しました。実はタクミは有名なグルメ雑誌の編集長。色んなお店をまわり、雑誌で紹介しています。名刺を見た大将は急に腰が低くなって別人に……。
「これまでの態度はちょっとした冗談でしてw真ん中の席で最高のおもてなしをさせていただきます」と手のひら返し。
事情を知った常連さんは「なんて店だ!」と怒ったり、呆れたり。それから悪い噂は広まり、お店は閑古鳥が鳴いています。このままだと閉店するかもしれませんが、自業自得ですね。パニ子とタクミの結婚記念日ディナーは仕切り直しです。
お客さんを見て態度を変え、他のお客さんと全く違うネタを提供するなんてバカにしすぎですよね。寿司店の女性というのは女将さんでしょうか……。スーパーでの横柄な態度もあり得ませんよね。2人には反省してもらい、イチから出直してほしいですね。