夫は理想の男性
私の好きな男性のタイプは清潔感のある人。
夫は、付き合っているときからいつも爪は短く切り揃えられていて、休日の日もぴしっとアイロンのかかったシャツを着ていました。実家暮らしでほとんど家事をしたことがなかった私にとって、自分で私服のシャツにアイロンをかけている夫は、すごくちゃんとしている人に感じられました。
デートのときも、映画を観て泣いている私にさっと予備のハンカチを貸してくれ、なんて素敵な人だろうと感激したのを覚えています。
そんな夫とめでたく結婚して一緒に住むことになりました。
トイレに手洗い器があるのに
結婚後、夫と一緒に住むことなった賃貸マンションのトイレは、手洗い器とトイレタンクが一体になっているタイプです。トイレの壁のタオル掛けにタオルをかけていて、私は用を足したあとはトイレの手洗い器で手を洗っていました。
しかし、何日かして夫はその手洗い器を使わずにトイレの横の洗面所で手を洗っていることに気がついたのです。理由を尋ねると「石鹸で手を洗いたいから」とのこと。しかも、夫はトイレから出るとき、手ではなく腕でドアを開けていて……。夫曰く「トイレのドアノブは雑菌だらけで汚いからどうしても気になる」と言うのです。
そんなに気になるのかと思いつつ、「トイレの手洗い器の水で手を流しているだけの私って、夫に汚く思われているのでは……?」と感じて、それからは私も洗面所で手を洗うようになりました。
きれい好きな夫とズボラな私
清潔感のある理想の夫は、やはりきれい好きだったのです。
例えば、夫はシーツや布団カバーを冬場でも頻繁に洗います。ズボラな私は、冬は汗もかかないし、冬場は洗濯物が乾きにくいし、そして何より洗うのが面倒くさいので、そんなに頻繁に洗う必要はないのでは?と思っています。
また、夫は子どもをスーパーのカートに乗せるときには、必ず除菌シートでカートをくまなく拭くのですが、コロナ禍前だったこともあり、私にとってその行動は煩わしく、見えないものに怯えすぎだとさえ感じられるものでした。
そんな衛生観念が異なる私たちですが、夫は私がする洗濯や掃除に口を出すことはありません。気になるところは夫が勝手にやるので、一緒に暮らすうちにお互いのことがわかってきて、今ではあまりストレスを感じることなく過ごせています。
きれい好きな夫との生活は、ズボラな私にとって最初は窮屈に感じられました。夫がシーツを頻繁に洗ったり部屋の掃除をしたりするたびに、そこまでやらない私を不潔と思っているのではと不安になることもありました。しかし、結婚してから一度も夫から「もっときれいにしてよ」と指摘されたことはありません。夫は「掃除は気になる人がやればいい」という考え方なので、ズボラな私でも、きれい好きな夫とストレスなく過ごせています。
著者/大岡むぎ
作画/霜月いく
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