夢のせいでうなされる夫
例えば、自分が追いかけられる夢や誰かが亡くなってしまう夢など、夫は嫌な夢を見るとたまに大声を出すことがあります。そのときの夫は意識があいまいなようで、私が「大丈夫?」と声をかけてもなかなか起きないときも。汗だくで苦しそうにしている夫は本当にかわいそうで、私は「大丈夫、大丈夫」と子どもにするように、夫の背中をさすります。
先日、私が体調不良で寝こんでいるときに、夫が「うわあああ」と叫び始めました。いつもの私なら体を起こして夫の背中をさするのですが、このときばかりは体調不良で動けず、横になったままで「起きてー、夢だよー、大丈夫だよー」と声をかけるしかありませんでした。
義両親を起こしてしまって…
夢と現実の狭間にいて意識があいまいな夫は、そのあとも「うううう……」とうなされ続けます。そのとき、義両親は壁を1枚はさんだ隣室で眠っていたのですが、その騒ぎで起こしてしまったようです。
夜中の2時ごろ、息子の大声に驚いた義母が、私たちの部屋のドアをノックして「大丈夫?」と声をかけてくれました。私は「起こしてごめんね、大丈夫だから」と答えましたが、義母は初めて知った息子の行動に驚きを隠せない様子。その後、夫がやっと落ち着いたのを確認すると「大丈夫みたいね、よかった」と言い、義母は自室へ戻っていきました。
汗だくで再び眠りについた夫への心配はもちろんありましたが、それと同時に、高齢の義両親を真夜中に急に起こしてしまった上、不安にさせてしまったことに申し訳なく思い、私は「明日になったら義両親に謝らなきゃ」などと考えていました。
壁の向こうから意外な会話が
夫は再び眠りにつきましたが、私は「義両親に申し訳ないことをしたなぁ」と思い、なかなか寝つけずにいました。すると、壁伝いに義両親の会話が聞こえてきたのです。
義両親は「きっと具合の悪い奥さんが心配でうなされてしまったのね。あの子は兄弟の中で1番やさしいものね」「そうだね、2人ともゆっくり眠れるといいね」と話していました。
両親がおらず、おとなしく過ごしていないとすぐに怒られる環境で子ども時代を過ごしてきた私にとって、義両親のこの会話は衝撃的でした。
そして、「こんなにやさしい人たちがいるのか……この家に嫁いで本当によかった」と、夜中にひとり号泣したのでした。
心配するだけでなく、精神的に不安定になっている息子をフォローできる義両親は、人間として素晴らしいと感じました。私も義両親のように、素直な愛情を与えられる人間になりたいです。そして、これからも夫の不安に寄り添い、2人で乗り越えていけたらいいなと思います。
著者/つちやです
作画/おはな
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