嫌みなママ友の偏見
娘の保育園のPTA役員仲間・A子さんは、裕福な専業主婦として知られていました。
ところが私に対しては、
「コールセンターなんて誰でもできる仕事でしょ?」
「パートなんて貧乏って言ってるようなものじゃない?」
と、事あるごとに嫌みを投げかけてきます。
私は「そうかもしれませんね〜」と苦笑いで返すしかなく、心の中ではモヤモヤしていました。
コールセンターにまさかの電話
ある日、私がコールセンターでいつものように電話を取ると、今にも泣き出しそうな声の女性が「助けて、支払いができないの!」と訴えてきました。まずは冷静に、名前などの情報を確認した私は、内心「まさか」と思いました。なんと、電話の相手はA子さんだったのです。
「こんなにたくさん買い物したことが夫にバレたら離婚されちゃうのよ! 早く何とかしてよ!」
普段から“お金持ちアピール”をしていたA子さんでしたが、どうやらママ友たちに見栄を張るために、夫に内緒でカード払いを重ねていたようです。私は冷静に分割払いの手続きを案内し、最低限の解決につなげました。
あえて正体を明かすことに
最後に、「それでは、担当の◯◯が承りました」と私がフルネームで名乗った瞬間、A子さんは沈黙。
「えっ……◯◯って、△△保育園の◯◯さん!? あ、あなただったの!?」
焦った様子のA子さんは、「このこと、絶対に誰にも言わないでよ!」と念を押してきました。もちろん守秘義務があるので、業務上のことを口外するつもりはありませんでしたが、彼女の必死な態度がかえって印象に残りました。
自称お金持ちママ友の末路
数日後、保育園で顔を合わせたA子さんは「余計なこと言ったら許さないから」と小声で釘を刺してきました。その一方で他のママ友には相変わらず「私って買い物好きだから〜」と取り繕っていて、私はその二面性にあきれるばかり。
やがて、A子さんはカードの支払いが追いつかなくなったことで浪費が夫に知られてしまい、夫婦仲が悪化したとママ友づてに耳にしました。しばらくして、A子さんが離婚したという話も広まり、豪華な暮らしは終わりを迎えたようでした。
A子さんのように人を見下し、自分をよく見せるために無理を重ねる人は、結局は自分で自分を追い詰めてしまうのだと感じました。私はこれからも周囲の評価に惑わされず、自分の仕事に誇りを持って進んでいきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。