マザコンな夫に困惑
結婚してみると、夫は筋金入りのマザコンでした。
「Tシャツの畳み方が違う! ママはもっとお店みたいに畳んでた!」
「なんでバスタオルが出てないんだよ! ママはいつも脱衣所に置いてくれてたぞ!」
何かにつけて義母と比べられ、文句を言われる毎日。さらに料理についても、「素材の良さは味を左右する」と言って高い食材ばかりを要求する一方、家計は節約を強制してくるのです。
夫は結婚するまでずっと実家暮らしで、一人暮らしの経験がありません。家事や買い出しは義母任せだったため、生活費の現実をまったく知らないのです。
困り果てた私は母に相談しましたが、「結婚当初はお互いの価値観をすり合わせる時期だから」と言われ、しばらく様子を見ることにしました。
義母の「月3万円」を勘違い!?
ある日、夫婦で義母の家を訪ねたときのこと。夫が「ママはいつもお財布にいくら入れてるの?」と聞くと、義母は「そうねぇ、現金は月に2万円くらいかしら」と答えました。
あくまでも財布に入れている現金の話であり、生活費の話ではないはずですが、夫はそこを理解していない様子。
「やっぱりママはしっかり節約していて偉いなぁ!」と夫が感心すると、義母は「そんなに節約してるつもりはないけど……」と笑っていました。
そしてその日の夜、帰宅してから夫は急に「今日のママの話、聞いただろ? 生活費なんて2万円で十分なんだよ! 今後は週5千円以内でやりくりしろよ!」と言い出したのです。
私たちは共働きで、生活費をお互い10万円ずつ出し合おうと決めていたのに……。生活の実態を知らない夫の発言に、私は言葉を失いました。
義母と母の叱責に夫は…
「月に2万円でどうやって暮らすの!? 食費だけでじゃなく、光熱費とかもあるんだよ!?」と私が反論すると、夫は「もっと努力しろよ! 嫌なら離婚だ」とまで言い出しました。さすがに私ひとりでは抱えきれないと思い、その後、母と義母に相談することに。
そして週末、私は母と義母を自宅に呼び、夫と4人で改めて話し合う場を設けました。
夫は「2万円で十分だ。母さんだって2万円でやりくりしてるんだから」と主張。
すると、義母は厳しい表情でにらみつけ、
「2万円は財布に入れている現金の話で、私はカード払いがメインよ! そんなこともわからないで勝手に決めるなんて情けない!」
と強い口調で言いました。
続けて母も「家事も買い物も任せきりで、そんな非常識なことを言うなんて……生活にかかるお金のこと、ちゃんと把握しないとダメよ!」ときっぱり叱りました。
それでも夫は不満げな顔を崩さず、「まだ子どももいないんだから、節約するべきだろ? 俺は間違ってない!」と突っぱねるばかり。その姿を見て、私は心の底から限界を感じ、離婚を決意しました。
新たな人生への第一歩
最終的に私は夫と離婚しました。離婚のとき、義母からは「本当にごめんなさい。私の教育が間違っていたのね」と何度も謝られました。義母自身も、マザコンで世間知らずな息子に心底あきれているようで、私には「これからは自分の人生を大事にしてね」と温かい言葉をかけてくれました。
離婚後、私は母と元義母のチームに加わり、バレーボールを始めました。今では元義母ともチームメイトとして仲良くしています。
結婚生活を通して、夫婦には愛情だけでなく価値観や生活感覚のすり合わせが必要だと実感しました。土台が整わなければ関係は長続きしない――そう痛感し、これからは自分にとって譲れないものを大事にしようと考えるようになりました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。